2021年5月22日に行われた「理想のケアとその実践を語る」あおいけあ×駒場苑コラボ質問会の内容をダイジェスト版で紹介します!

【登壇者】 加藤忠明(あおいけあ代表) 坂野悠己(特別養護老人ホーム駒場苑施設長)

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2. あおいけあの紹介 (録画:12:40-26:53)

加藤(あおいけあ) 皆さんこんばんは。よろしくお願いします。 神奈川県藤沢市で介護事業所を運営しています。

僕は大学が福祉大だったんですけど、教育課程の勉強をしてたので、高齢者事業所は全く見たことがなかったんです。地元が神奈川県で、卒業後に帰ってきたは良いけど職の当てが急に無くなってしまって。引きこもったりしながら、たまたま地域包括さんに登録しておいたら「介護の仕事しませんか」っていうのが届いて、面接に行ったらそのまま働くことになっちゃって、っていうのが実は介護の仕事を始めたきっかけです。

全然興味は持ってなかったので、卒直に言うとすごくびっくりしたんですよね。「なんだこの世界は」と思って。自分だったら絶対我慢できないことを人にしていて、「福祉です」って言っていて。少なくとも絶対自分は我慢できないし、「自分の親も入れたくないな」って正直僕は自分が働いていた施設に思っちゃったんですね。「でも仕事だから」と割り切っていたんですが、まぁ2年半しか持たなくて。

辞めた時にたまたま介護保険制度が始まる年だったので、立ち読みした『グループホームの基礎知識』っていうの本を見て、「やっちまえ」って思ったのが25歳の時。自分の介護事業所を始めました。

20年ちょい経ったところですが、今だといろんなところに呼ばれて行ったりとかもしますし、結構海外のお客さんも来られて。言葉がわからないの怖いですね。「オーケーオーケー!」とか言ってたら、どうも「フランスに来い」っていう意味だったらしくて、本当にフランスに連れて行かれて、フランスの認知症非薬物療法学会で喋ってくるとか。

今だとアジアがすごい高齢化のスピードが早いですので、よく呼ばれます。シンガポールでもインフルエンサーに選んでもらったりとか。台湾でも本が売れてたりとか、日本でもNHKに2回出させてもらったり、漫画化されたりとか、映画化されたりとかもしていただいてます。

元々グループホーム(グループホーム結)がやりたくてスタートしたんですが、若気の至りで、6人ワンユニットで始めちゃおうと思ったんですね。で、作ってる途中で「あ、これ絶対シェアできない。手入れできないかも」と思って心配になって。隣にデイサービス(デイサービスいどばた)をそのまま一緒に作って始めました。ただ、私はデイサービスが全然面白くなくて。「これ全然支えきれないじゃないか」って思っちゃって。もう20代の後半は全国のいろんな先輩のところに行脚して行きました。

それでやりたいなと思ったのが、宅老所ですね。長野県だと400ヶ所とかありますけど、神奈川県はほとんどないです。やりたかったのですが、神奈川県でやろうと思うとお金も人件費も場所もすごいかかるので、「できない」って頭を抱えてたら、厚労省の職員さんに「あと2年くらい待ってた方がいいよ。できるから」って言われて。それでできたのが、小規模多機能型居宅介護ー小多機ですね。

小多機って宅老所をモデルに作られてるんですね。なので、平成19年に『おたがいさん』という事業所を作りました。これを作る時には、結構もう全国の先輩たちから「いいかい、加藤くん。これからは地域だ!」ってすごい言われてて。正直僕「地域」という言葉の意味が未だにわかんないんですけど、なんかしなきゃいけないと思ってやったことが一つあります。

実はこの土地ってこっち側(デイサービスいどばたのすぐ裏手あたり)が住宅地で、ここ(グループホーム結のすぐ横の道路)が幹線道路っていうか、車通りが激しい通りなんですね。ここには歩道がないんですよ。でも地域の子供たちはここを通って小学校に行かなきゃいけなくて、しょっちゅう事故も起こっていて。この部分(グループホーム結の幹線道路沿いとデイサービスいどばたのすぐ脇)は壁なんですが、これを壊したんですね。

結果この中(グループホーム結とデイサービスいどばたの目の前)を子供たちは通り抜けて学校に行くようになったりとか、サラリーマンも通り抜けて駅に行ったりとかして、ただの私道なんですが、いろんな人たちが歩いてく場所になったんです。この新しい建物(小規模多機能型おたがいさん)も外階段があって屋根まで登れるようになってたりとか。ここの2階のここに書道教室が付いていて、地域に130人くらいお弟子さんがいたりとか。だから、介護じゃない人たちがめちゃくちゃ来るって感じですね。

デイサービスも実は小規模多機能のサテライト(サテライトいどばた)にしてしまい、隣にもう一個小規模多機能のサテライト(サテライトおとなりさん)を作ってやってます。この建物にしても1階が小規模多機能ですが、この外階段を登った2階のところはアパートになっていて。

このアパートは、家賃が7万円なんですが、入居の時に「この地域で一日1時間ボランティアします」と宣言すると、家賃が7万円から4万円(25歳以下は3万円)になるという仕組みにしていて。なんで4万円かというと、そうすると生活保護の方が借りれるからです。安かろう悪かろうのアパートに入って出て来ないんじゃなくて、ここだったら外に出ておばあちゃんと駄弁っても、地域の公園の掃除したりとか草むしりとかすれば、家賃が安くなるというアパートですので、ちゃんと「地域」に絡むことを意識して作ってます。 たまたまですけど、ある部屋はイケメンのお兄ちゃんが借りてカフェをやってたりとか。1階のところは土間で、掃き出し窓のつくりになっています。どの事業所もそうですが、どっからでも出れます。利用者さんは9割以上が認知症の方ですが、どこからも出て行きません。出て行く必要がないからですね。「ここは私は必要とされてない、当てにされてない」とか「ここは居心地が悪い」っていう所からは当然出て行きますけれども、居心地が良くて、「必要とされてるんだ」「当てにされてるんだ」っていう所からは誰も出て行かないわけですよね。なのでそういう環境を作ろうと思ってます。

手前側はコミュニティレストランになってるので、日本食の板前さんがご飯を作って出してくれる場所になっていて、地域の方もご飯を食べに来る場所としてオープンしてます。自己紹介はここまでにしようと思います。

編集部 ありがとうございます。早速ですが、かたや施設で施設長をやってらっしゃる坂野さんと、ご自身で起業された加藤さんのお二人が、どういった関係でこのような場になったのか、最初にまず教えていただけたらと思います。

坂野(駒場苑) 加藤さんとお話しするのは、本当この企画の打ち合わせが初めてで。加藤さんは超有名人なんで、もちろん昔から知っていて、記事読んだりとか、テレビ番組を観たりとか、すごい気になる存在でした。私も講演活動のなかでいろんな人とコラボさせていただいてたんですけど、なぜか加藤さんと一緒になることはなくて、ずっとコラボできたらいいなと思っていました。もう一つ、あおいけあさんがある場所が、私の生まれ育った場所で、地元が一緒なんですね。なんで話聞いてたら、隣の学区の小中学校行ってる先輩っていうのが分かって。私地元に友達が全然いなくて、唯一加藤さんがやっと知り合いになって。「田舎帰ったら加藤さんの所行こう」って、本当に地元の先輩って感じですね。

加藤(あおいけあ) なんか可哀想な人みたいな紹介になってるけど。(笑)

坂野(駒場苑) はい、友達がね、本当いなかったんで。(笑)なのであおいけあさんがBricolage(ブリコラージュ)さんとつながりを持ってるっていう話を聞いて、「あ、じゃあなんか一緒にやれたらいいなって思ってるんですけど」ってご提案したら、あれよあれよと話が進んで、私的には本当ラッキーだなと思っています。

編集部 ありがとうございます。実は、坂野さんには打ち合わせであおいけあに行っていただいたと思うのですが、その時の印象に残っていることはありますか?

坂野(駒場苑) 加藤さんが結構人見知りだって聞いてたんですけど、説明しだしたらめちゃくちゃ喋るなと思って。詳しく説明していただいたんで、すごい緻密にいろんなこと考えられてるんだなって思って、めちゃめちゃびっくりしましたね。私なんかは介護畑でずっとやってた人間なんで、もう少し広く視野を持ってなかったりする部分もあるんですけど。もっと広く、いろんな視点がすごい広くて、私自身も視野が広がったっていう感じがありますね。その地域全体を見たほうがいいんだなとか、今後にすごいつながりそうで、ありがたかったです。

編集部 逆に加藤さんから、坂野さんや駒場苑について印象に残っていることはありますか?

加藤(あおいけあ) 今回の企画がそもそもびっくりしたんですね。Bricolageから依頼が来るとは絶対思ってなくて、まさかこんな日が来るとはっていう感じだったんです。Bricolageの有名人の一人が坂野さんだと思うんですけど、そういう方とこういう話ができるっていうのは、まずとても意外な企画でした。僕も実は若い頃、特養で働いてたんですけど、駒場苑みたいな所で働いてたら、きっとあおいけあを作ってないんだろうな、と感じています。言いたいのは、「特養だから」とか「小規模多機能だから」とかって、ただのサービスの種類なので、実はどうでもいいと思っていて。そこの垣根は取っ払って、ちゃんと話をしたほうがいいかなと思って、わざわざ坂野さんも来てくれたので、説明させてもらった次第です。


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