みなさん、お医者さんと言うと「医師免許」を持つ職業の人を想像すると思いますが、その呼び方は「医師」「ドクター」「お医者さん」などいくつありますね。

では、介護の仕事に就いている人はなんと呼ぶでしょうか。皆さんが聞いたことがあるかもしれない呼び名を列挙してみましょう。

「介護士」「ヘルパー」「介護職員」「介護福祉士」「ケアワーカー」

皆さんこれらの呼び方の違いがわかりますか。実は介護現場に勤めている現役の人たちも、介護業界にたくさんあるこれらの呼び名の詳細について理解している人は少ないかもしれません。

「介護士」

=介護労働に従事する人全般を指す言葉として広がっていますが、実は造語で、正式な名称ではありません。実際には定義されていない言葉なのに広がっているというのは皮肉ですね。

「ヘルパー」

 =自宅等に住む方の家を訪問して介護を提供する「訪問介護事業」で働く「訪問介護員(正式名称)」の通称です。「ホームヘルパー」「ヘルパーさん」などとも呼ばれますね。とにかく、通称なんですね。 

「介護職員」

=訪問介護以外の介護保険のサービス事業所で働き、直接介護を行なっている人を指す言葉です。国の資料では、訪問介護員と介護職員全てを合わせて「介護職」「介護職員」と現すこともあるので、さらにややこしくなりますね。

「介護福祉士」

=介護の国家資格の名称です。医師、看護師、管理栄養士、などと同じ、資格そのものの名称なのですね。しかし、介護の職場でも「介護福祉士さん」と聞く機会はあまりないですね。介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修などの資格はありますが、介護は資格で呼ばれることは少ない業界と言えますね。

「ケアワーカー」

=一般的に介護職員を指す言葉の通称です。介護職員をカタカナ英語にしたような印象もありますが、英語圏では「ケアギバー(caregiver)」と言う方が一般的です。会社によっても呼び名が様々で、介護職員のことを「ケアワーカー」「スタッフ」「職員」など色々な呼び名があるのでさらに混乱しますね。

いかがでしたでしょうか。介護業界では様々な呼び名があふれていますが、造語から通称までたくさんありすぎて混乱してしまいますね。

まずは、様々な呼び名があること、それが何を指しているのかを理解することも、業界を把握することの第一歩かもしれませんね。

今日の内容はこれでおしまいです。 

「平成 30 年度 介護労働実態調査で使用された用語及び調査結果利用上の注意 」 http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/2019_chousa_yougo.pdf (1) 訪問介護員とは、介護保険法の指定を受けた訪問介護事業所で働き、高齢者等の家庭を訪 問して家事などの生活援助、入浴などの身体介護を行う者をいう。 (2) 介護職員とは、訪問介護以外の介護保険の指定介護事業所で働き、直接介護を行う者をいう。