さまざまな現場でご活躍される多種多様な介護職の方に、ただひたすらインタビューしていく「カイゴ録」🎤 今回は、ここまで5回にわたってお話を伺ってきたYuさんの「カイゴ録」、いよいよ最終回! 前回に引き続き、どんどんお話を伺っていきます!✨
ここまで、様々なご経験や考え方について、素敵なお話をたくさんしてくださったYuさん。 そんなYuさんが、今の介護業界に願うこととは…? さっそくお話を伺っていきましょう!✨
Yuさんのプロフィール
Yuさん
介護福祉士、介護支援専門員などの資格を持つ。介護福祉士として、施設では主任も経験。現在はデザインの仕事をしている。
■職員同士のフォローの意味とは
けあ子
他にはなにか、業界への問題意識などはありますか?
Yuさん
そうですね。今までの話の続きになりますが、この仕事、特に従来型の特養では、ある程度意識的に価値観を利用者に向けていかないと、「どれだけ他の職員をフォローできたかが大事」と言う価値観になってしまうリスクがあると感じています。
けあ子
他の職員のフォロー…!👀
Yuさん
でも、本当に大切なのって、「職員同士のフォロー」という仕事のおかげで余力ができた分、「利用者に対して何ができたのか?」ということだと思うんです。僕の業務改善もそうですけど、空いた時間で職員がタバコ休憩してるだけだったら、意味がないんですよ。
けあ子
確かにその通りですね😥
Yuさん
そんな風に、努力が他の職員のフォローに終始してしまっている職員は結構多かったです。業務は適切なタイミングというものがありますから、業務を前倒しして利用者に被害が及ぶこともありますし。
けあ子
えっ、そうなんですか?
Yuさん
例えば、朝の起床援助って、早く起こし始めればその分早番は楽になりますけど、あまり早すぎると、利用者は何時間フロアでご飯を待ってるの?そういう「生活」をみんなは望んでるの?っていう。
けあ子
確かに…!😰
Yuさん
あとは、以前いた施設では、午後3時前後にお茶とおやつの時間があったんですが、それを午後1時頃から始めていた職員もいました。その職員にとって、その業務は「お茶の時間」ではなくて、「ただ水分と食べ物がお腹の中に入れば良い」という認識ですよね。
けあ子
そうですね💦
Yuさん
業務をこなして終わりではなくて、その仕事によって利用者の生活がどうなるのか、ってところまでを伝えて、育てていく必要があると思います。
けあ子
そのような数々のご経験を踏まえて、最後に何か業界へのメッセージはありますか?
Yuさん
メッセージというと特にないですが、願いみたいなものはありますね。
けあ子
その願い、教えてください⭐️
Yuさん
やっぱり介護は「人対人」なので、「今利用者と接しているこのときを、それだけ大切にできるのか」ということを大事にしてもらいたいです。職場の人間関係とか上下関係とかは極論どうでもよくて。ベクトルを組織の内側ではなくて、目の前にいる利用者の生活に向けてほしい。利用者と接することに楽しく集中できる世界だったらいいな、と思います。
けあ子
とっても素敵です!☺️ そうした個人の意識が、組織全体のあり方とも結びついていきそうですね!
Yuさん
そうですね。しかし悲しいのが、現場の一職員のちょっとした頑張りや、それによる喜びって、本人にしかわからないんです。気付かれにくいんですよ。
けあ子
それは少し悲しいですね😥
Yuさん
もっと、そういうことをお互いに自慢し会えたり、きちんと評価してくれる組織だったら、楽しいだろうなと思います。実はすごい工夫をしているのに、やってる本人がその価値に気づいてないなんでこともあるので、そういうのを気付いてもらえて、互いに共有しながら刺激し合える組織なら、きっと楽しいと思いますね。
■「なんとなく」の工夫や目配りを、意識化して「技術」にする
けあ子
確かにそういう組織なら、より楽しく、やりがいを持って働くことができそうですね!具体的な取り組みとして、なにかアイデアはありますか?
Yuさん
これは僕の妄想なんですが、「一日一善運動」とか考えていました。
けあ子
「一日一善運動」って…?
Yuさん
一日の中で一個でもいいから、自分が「良い仕事した」と思えることをしよう、という運動ですね。それで、「今日どんな良い仕事した?」って終業時に聞いてみるんです。これを毎日のように繰り返すという。
けあ子
とても素敵な運動ですね!✨
Yuさん
実は、僕自身、自分のモチベーションを保つために、これをやっていたことがあるんです。多分実際みんなにやったら、「特に何もないです」という返事の人もいると思うんですけど、例えば、その日一日、事故が起きなかったとします。「じゃあ事故が起きなかった背景には何があるの?」と掘り下げて聞いていくと、本人ですら意識してなかったような工夫や目配りなどが何かしら出てくるはずで。
けあ子
確かに…!
Yuさん
それまで「なんとなく」だったことが、「意識的に」やれるようになったら、それはもう立派な技術ですから、その引き出しを増やしていき、共有していく作業ですね。
けあ子
そんな風に問いかけていくんですね!
Yuさん
はい。そういったコミュニケーションがお互いに遊び感覚でできるようになると、もう少し人も育ってくるのではないかと思います。
けあ子
なるほど!✨利用者も職員も、一人の人間として本当に大切に考えておられるのですね☺️
全6回にわたってお届けした、Yuさんの「カイゴ録」。 本当に様々なお話を伺うことができましたが、皆さんいかがでしたか?😊
次回はどんな素敵な方にお会いすることができるのでしょうか?✨ ぜひ楽しみにしていてくださいね♪