前回の記事では「日本標準職業分類」という職業に関する分類の中で、私たち介護に携わる者は「大分類 E-サービス職業従事者」「中分類 36-介護サービス職業従事者」の中に「介護職員(医療・福祉施設等と訪問介護従事者)」と「訪問介護従事者」が位置付けられていることと、この「日本標準職業分類」が昭和35年の設定から5回の改定がなされていることについて確認しました。

 

今日の記事では、この「日本標準職業分類」の改定の変遷の中で、最新の分類に位置付けられている介護職員と訪問介護従事者がどのような変化を辿ったかを見ていきたいと思います。両者は最初からサービス職業従事者としての位置付けだったのでしょうか。

 

ではまず、訪問介護従事者について見ていきたいと思います。

昭和35年3月設定(1960)ですが、まだ訪問介護従事者に直接つながる職業が広がっている時代とは言い難かった為、見当たりませんでした。あえて該当するとしたら「家政婦」の中の「派出婦」というものがそれに当たるかもしれません。

 

昭和45年3月改定(1970)には「K:サービス職業従事者」の中の「90:家事サービス職業従事者」の「902:家政婦」の中にしっかりと明記されていました。

「ホームヘルパー」=個人の家庭または個人などの求めに応じて、日・週などの短期間の契約で出張し、家事用務に従事するものをいう。

この時代には既にサービス職業従事者として位置付けられていたのですね。

 

ところが昭和54年12月改定(1979)には前回昭和45年の改定と同じ箇所「J:サービス職業従事者」「90:家事サービス職業従事者」「902:家政婦」を探しても「ホームヘルパー」がなくなってしまいました。他を探しても該当しそうなのは「派出婦」=個人の家庭又は個人などの求めに応じて、日・週などの短期間契約で出張し、家事用務に従事するものをいう。

「909:その他の家事サービス」の「お手伝い(通いのもの)」=通いのお手伝い・洗たく婦など、901~902に含まれない家事サービスの仕事に従事するものをいう。というものしか見当たりません。

 

昭和61年6月改定(1986)では前回の昭和54年改定と同じ箇所に「派出婦」「お手伝い(通いのもの)」という同じ職業分類しか記述されていませんでした。

 

そして介護保険制度がいよいよ始まる直前の平成9年12月改定(1997)では「E:サービス職業従事者」「34:家庭生活支援サービス職業従事者」「341:ホームヘルパー」=在宅介護サービスを提供する団体等からの指示等により、身体上又は精神上の障害があるために日常生活を営むのに支障がある者の居宅を訪問し、その者に対する入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活を営むのに必要な便宜を供与する仕事に従事するものをいう。というように、ホームヘルパーという職業分類が復活していました。

 

そして最新の平成21年12月改定(2009)では「訪問介護従事者」として今に続く位置付けがされているというわけですね。

 

ここまで見てきたように、訪問介護従事者は、初期の頃にホームヘルパーとしての名称が位置付けられましたが、介護保険制度を前にするまでは、家政婦さん、お手伝いさんとしての位置付けが長くされていたということがわかりますね。

訪問介護は在宅に訪問する極めて専門性が高い仕事でありながら、我が国では終始「サービス職業従事者」としての位置付けであり、そのルーツは家政婦さんやお手伝いさんとして認識されてきたということですね。

今尚ある、訪問介護員、ヘルパーさんたちへの偏見や専門職業として見られにくい構造には根深いものがありそうですね。

 

次回は介護職員の変遷について見ていきたいと思います。

※本稿は、金山峰之さんからの寄稿記事です。