2021年7月17日に行われた「最期まで自分らしく生きる介護の実践」看多機 “むく”×駒場苑コラボ質問会の内容をダイジェスト版で紹介します!

【登壇者】 佐伯美智子(看多機"むく"代表) 坂野悠己(特別養護老人ホーム駒場苑施設長)

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前回記事:6. 駒場苑の看取りケア【看多機"むく"&駒場苑コラボ質問会レポート】

7. 赤ちゃんボランティア【看多機"むく"&駒場苑コラボ質問会レポート】

編集部 続いては、赤ちゃんボランティアを導入したきっかけと、継続するコツについて、教えていただけたらと思います。

佐伯(看多機むく) 赤ちゃんボランティアを導入したきっかけは、本当思いつきなんですよね。

うちは子連れのスタッフが多かったので、当たり前に子どもたちがその辺にごろごろといたんですね。 で、大きくなっていったら、それぞれ保育園に行ったりとか、幼稚園に行ったりとか、いろんな別のところに行き始めたりするんですよね。 そうなった時に、なんか子どもいないね、ちょっと寂しいねって思ったのが最初のきっかけです。 だったら外から来てもらうといいんじゃないかなみたいなかんじで思い付いたのが、赤ちゃんにボランティアでだったんですね。 赤ちゃんがお母さんと一緒にむくに来てくれて、そこでただ時間をともにしてもらうとか、そういうことをやってます。

参加してくれる方がね、どんな気持ちを持ってくれてるのかなっていうのを聞いたところ、だいたい気分転換になるとか、社会と繋がれるのが嬉しいとか、子どもにとっても良い経験になってるよねーとか、何かの役に立ってるってのが嬉しいと。 これはお母さんの声なんですけど、自分のストレス解消になるとも。 家に子どもと二人でずっといることじゃなく、行く場所ができて、そこで且つ何かの役に立てるっていうのがストレスの解消になりますっていうふうに話してくれた方もいらっしゃいました。

あるおばあちゃんが、ちょっと攻撃的な口調だったりとか、机バンバンバンバンって叩いてたんですけど、赤ちゃんボランティアさんが来てくれた瞬間、子どもと触れ合った時に、すごい穏やかに戻られて、にこにこにこにこしながら子どもにタッチしてたりとかね、するような姿が見れたりしてました。 当たり前なんだけど、子どもを見てたらね、皆さん笑顔にはなられるんですよね。 それだけじゃなくって、お年寄りにやっぱり何らかの役割ができる。 いつもお年寄りって介護される側なんだけど、赤ちゃんがその場にいることで与える側に代われる、受けるだけじゃなくて与えられる側に代われるっていうのが、私はすごく赤ちゃんがいることのメリットかなっていう風に感じています。

ちなみに、赤ちゃんボランティアで1年ずっと来てくれてた子がいるんですけど。 2か月の赤ちゃんから、だんだん6か月になってお座りができるようになって、言うたら寝たきりの状態から座れるようになって、8か月になってつかまり立ちができるようになって、10か月になって自分で自由にうろうろできるようになったりっていう姿を見てると、お年寄りが気付きにくい時の流れっていうのをね、感じることができるんじゃないかなっていうふうに思ったりしてます。 1歳になった時はみんなでね、1歳のお祝いイベントみたいなのをでやったりもしたんですね。

佐伯(看多機むく) なんかね、こういうことができる余裕があるといいなっていうふうに思ってたりもします。 こんな感じで赤ちゃんボランティアさんに活躍してもらいながら、環境を作る要因の1つになってくれてたりとか、なんだかんだといろんな良い意味での刺激になってる。 もちろん、泣いたり喚いたりうるさいこともあるんだけど、そればっかりじゃないよなっていうのを大事にしていきたいなっていうふうに思って、赤ちゃんボランティアをやってます。

赤ちゃんボランティアからスタートして職員になってくれたかたも何人かいたりします。

編集部 ボランティアから始めて、そのあと実際就職される?

佐伯(看多機むく) そうそう。それもプラスになるかなって思ったりして。 あとは子連れで働きたいんですっていうかたは、最初赤ちゃんボランティアから始めてみてもらって、子連れで働きたいんだけど、子連れで働くって意外と大変な事もあるんだよっていうのを知ってもらってから働いてもらうみたいなスタイルが最近ちょっとできてきたり。 もちろん働いてみるのとボランティアで来るのとは全然違いはするんですけど、子どもが先に慣れるっていうのも必要かなっていうふうに思ってたりするので、いろんなメリットはあると思います。

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