介護の仕事って本当に時代に翻弄されている気がしてなりません。

私たち介護福祉士自身が、自らの仕事の専門性、範疇はこれだ!と宣言するよりも時代の動きの方が早くて、そちらの都合でどんどん私たちのアイデンティティが規定されていってしまっています。

介護職とよばれる職種の歴史は寮母、家庭奉仕員とよばれる時代に始まり、現在は科学的介護、地域共生ケア、はたまた、初任者研修の下位資格、ライヒホイタヤのような医療福祉系の統合資格、生活援助は専門性から切り離し、の話題まで。

措置

→三大介護

→量産化

→尊厳と認知症

→3K

→ビジネス

→マネジメント

→医療行為

→質

→地域

→財源、効率化・重点化

→上級資格、資格の体系化

→外国人

→科学的介護

→AI、IoT、ICT、ビッグデータ、ロボット

→資格・教育の共有化

10年前の僕は、介護福祉士が医療行為をするなんて想像もしていませんでした。

10年後の僕は、センサーとIoTで収集された生体情報と、ケア記録がビッグデータで管理され、AIが適切なケア手法を指示し、それをもとに介護をしている。介護福祉士の専門性は、そうした管理技術を使いこなせる、臨床検査技師的なスキルを持つものが、人員配置基準になるかもしれません。機器を使いこなせることが専門性。

介護福祉士の専門性を考えるにあたり、私は『介護福祉史』なるものが必要なのではないかと最近思います。

介護保険制度史ではありませんよ。介護福祉の専門職にまつわる歴史です。

ま、介護保険制度施行後、社会福祉基礎構造改革以降は『自立支援』『尊厳』というキーワードは揺らいでいないのは幸いですが。

ただ、これは高齢者介護の専売特許ではなくて、広く福祉職全般にわたる概念ですから、やっぱり介護福祉士の専門性って何だろう。

『日常生活の支援』かな。

解釈はあるけど、定義がない。

対象は明確。

『老齢、障害、疾病などにより心身の不自由が生じ、日常生活に支障をきたす者』というところか。

そこに“介護”を持って課題を解消し、目標を達成する者。

目的は?尊厳が保持された、自立した日常生活。

=国民が有する生存権、幸福追求権、自由権などの基本的人権の担保。

介護っていうのがポイントなんだろう。

介護の特異性ってなんだろうか。

介護職それ自身が、商品であり、媒介者であり、サービスであり・・・

とりあえず、上記に挙げた、措置~~資格・教育の共有化まで、表面的なことではなくて、貫いている、“”介護らしさ“というのを抽出していかなきゃいかんのだろうけど。

早くしないと、職種自体がなくなっちゃう(統合)かもしれないから、全世界で唯一の介護にまつわる職能団体である、介護福祉士会でそれを考えて、一応発信しないといけないですね。

頭の中が散らかっているので、とりあえず出してみた。

その2に続きます。

※本稿は、金山峰之さんからの寄稿記事です。2017年7月10日に、ご自身のブログ「介護の専門性新提案」において、掲載した内容を一部編集の上、掲載しています。 ※ 金山峰之さんのプロフィール 介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員。法政大学大学院政策創造研究科修士課程修了。 在宅介護を中心に15年以上現場に従事。現在フリーの介護福祉士として、高齢、障害者介護現場の傍ら、介護人材の育成、講演、研究、コンサルティング等に従事