介護という産業、職業の位置付けは?①はこちらです。



前回、介護という仕事が、日本の産業分類の中でどのように位置付けられているかについて見てみました。「医療・福祉」という大きなカテゴリーの中の「社会保険・社会福祉・介護事業」の中に含まれていたのですね。

 

さて、今回は前回の「日本標準産業分類」ではなく、総務省の「日本標準”職業”分類」という職業に関する分類を見ていきましょう。私たち介護に携わる者は職業としてどのように分類されているのでしょうか。

 

まず産業分類で介護と一緒だった「福祉」に関する職業を見てみると「大分類 B-専門的・技術的職業従事者」「中分類 16-社会福祉専門職業従事者」の中にありました。ここには「福祉相談指導専門員」や「保育士」などの職業が位置付けられています。ところが産業分類では福祉に位置付けられていた介護がありません。

 

介護に関する職業を探してみると、「大分類 E-サービス職業従事者」「中分類 36-介護サービス職業従事者」の中に「介護職員(医療・福祉施設等)」として位置付けられていました。また同じ分類の中に「訪問介護従事者」も並んでいます。

 

なんということでしょうか。産業としては「福祉」と「介護」は一緒なのに、職業では、「福祉は専門的職業」「介護はサービス職業」と別の職業として位置付けられているのですね。しかも、介護職は専門的職業ではなく、サービス職業としての位置付けがあるというこの事実。介護職も国家資格があるなど、専門性を持っている職業のはずなのに、保育士が社会福祉専門従事者なのに、介護職は違うということです。

 

ちなみに、この「日本標準職業分類」は昭和35年から5回の改定がなされており、上記の内容は最新の改定である平成21(2009)年のものになります。すでに10年以上前の基準なのですね。こうした点をみると、次の改定では介護の職業としての位置付けを見直して欲しいとも思います。

 

いかがでしょうか。介護職は専門的な仕事でありながら、一方で誰でもできる仕事と揶揄されるように、公的には矛盾したことが私たちの知らないところで存在していそうですね。

こうした背景には、介護という仕事の成り立ちや歴史的変遷が影響していることも考えられます。この辺りを紐解いていくことで、現在の介護職、そして介護職が未来に向けて社会から求められていることなどが見えてくるかもしれませんね。

 

今回の記事はここまでです。



※本稿は、金山峰之さんからの寄稿記事です。
※ 金山峰之さんのプロフィール
介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員。法政大学大学院政策創造研究科修士課程修了。
在宅介護を中心に15年以上現場に従事。現在フリーの介護福祉士として、高齢、障害者介護現場の傍ら、介護人材の育成、講演、研究、コンサルティング等に従事。