■全産業平均と比較した介護業界の給与

 前回、すでに195万人が介護の仕事に就いていること、2040年には介護福祉医療職が5人に1人になる可能性をご説明しました。



今回は就業環境について迫ってみます。



 まず以下のデータにあるように「介護職は給与が安い」という点が一般的なイメージとしてよく挙げられます。




 実際の数値として、全産業平均の440万円と比較して、介護職は330万円程度ということが、よくデータとしても取り上げられ、「介護職は給与が安い」という主張とセットで語られています。





■介護職の給与は本当に低いのか!?

 介護職が給与が低いと言われるデータの大元が、都市部と地方が全て括られていたり(地域差の考慮)、パート職員が多いホームヘルパーの給与も込みで提示されていたり(事業種差の考慮)、税金による処遇改善を受けていない施設が含まれていたりします。


大きな傾向を掴む意味では良いのですが、23万事業所・195万人が従事する介護業界という大きな括りになっており、日本全体を平均で見てしまうと、見方を誤ってしまいますので、1つの調査結果をご紹介します。




 東京都にある社会福祉法人が運営する施設、特別養護老人ホームという施設形態における実際の給与データです。(2015年に東京都の委託事業で行われた調査結果です)



ご覧頂いてわかるように、2015年時点で既に、一般職員の給与が399.4万円ということで、ほぼ400万円に近い水準に達しています。


全ての職位を含めた平均値だと428.2万円ということで、先ほどの全産業平均に迫る水準であることがわかります。



勤続年数別に見ても1-5年目は373万円、5-10年目には411万という状況です。



 これらは、介護人材不足に対応する為


  • 「税金で処遇が改善されてきた」
  • 「夜勤もあるためその分の手当が付いている」
  • 「東京都を中心に人材不足のため、給与上昇の外部要因が働いた」


などの背景が考えられます。(少し細かい話になりますので、またの機会に・・・!)


また2015年時点なので、最新版では、更なる処遇改善も行われており、給与水準が上昇しているのは間違いありません。




 東京都で前述の施設形態(特別養護老人ホーム)であれば、400万円を「平均で」超えているという点は、意外だったのではないでしょうか。


施設によっても異なりますし、給与だが選択要因にはなり得ません。


また給与だけが選択基準ではないですが、こういった正確な事実を元に、選択可能な職業の1つとして、ぜひ頭に止めていただきたいと考えています!



 今日はこれでおしまいです。