飛鳥晴山苑の紹介

渡邊:飛鳥晴山苑は、晴山会のグループです。医療法人社団、社会福祉法人で構成されています。特別養護老人ホーム飛鳥晴山苑は、社会福祉法人晴山会になります。なお、障がい者の就労支援施設との併設は、都内だと珍しいです。職員は280名(高齢と障害)、法人全体で700名、医療合わせると1,000名程度います。(※アウケアサポーター追記:特別養護老人ホーム・デイサービスなどについては、こちらの記事をご参考ください「働く環境から見ると介護事業の種類は3つ」)

渡邊:特別養護老人ホーム以外だと、デイサービスが「1日型」と「半日型」がそれぞれあります。「1日型」は、一般的なデイサービスと認知症対応型のデイサービスがあります。入浴や食事介助、レクリエーションなどがあります。「半日型」はリハビリ特化型で、高齢者のフィットネスジムみたいなものです。

渡邊:要介護度は1〜5段階と、要支援1〜2段階があります(※アウケアサポーター追記:要介護度については、最下部をご参考ください)。リハビリ特化型は、基本的には要支援1,2の方を対象にしています。未経験の人は、ここからスタートするのも1つだと考えています。利用者の方は会話が成り立ちますし、介助もそこまで必要ないためです。そこから介護度が進む過程を見ることもできるので、どういう時に転びそうになるのか?どういう声掛けが必要か?等を学んでいけます

渡邊:要介護度の現状としては、平均で、特別養護老人ホームが4.1、ショートステイ(短期滞在型)が2.7、デイサービスが1.6です。

渡邊:初任者研修や実務者研修(※アウケアサポーター追記:資格の違いについては、こちらの記事をご参考ください「中途未経験からでも国家資格である介護福祉士が取れる!」)は法人が費用負担します。働きながら取得を目指すことが可能です。例えばとして、リハビリ特化型のデイサービスから始め、1日型のデイサービス、その後特別養護老人ホームというステップを刻むことが1つの考え方です。

渡邊:それ以外にも、飛鳥晴山苑は「生活支援職」という仕事があります。これは、ベットメイキング、洗い物などからスタートする仕事です。いまショートステイで働いている介護職員も、未経験から生活支援をやってから、40h/週、今は働いています。慣れるまでは「生活支援職」をやり、介護の現場に関心が持てそうであれば、介護職として働き始める、ということも可能です。(※アウケアサポーター追記:生活支援職については、こちらの記事をご参考ください「介護現場には『介護しない仕事』がある!?」)

質疑応答-1

参加者:夜勤が必要になるのは、どの仕事ですか?

渡邊:特別養護老人ホームになります。また夜勤に慣れて頂くステップもあります。宿直は、現状夜勤をやっていない職員がやることになっており、事務所が閉まった後の対応をします。夜も基本的には寝れますし、ご飯やシャワーがある1ルーム的な場所で寝泊ります。20時には施錠して終了、翌朝6時に解錠する形です。6,000円/回あので、夜勤の仕事がないうちに、当直を経験して慣れる、というやり方も可能になっています。

渡邊:補足のご説明です。先ほど「初任者研修や実務者研修は法人が費用負担します」とお伝えしました。他の資格、例えば社会福祉士やケアマネの資格取得等もサポートしています。(※アウケアサポーター追記:社会福祉士やケアマネについては、こちらの記事をご参考ください「」)また月に2回・2種類の研修を、2日ずつ(計4日)設定しており、受けた以上研修に入ってもらうようにしています。なので、年間24種類の研修が受けられるということです。基本的には職員が外部研修に出て、それを受けて職員が講師する形です。

渡邊:また介護職は給与が安いというイメージがありますが、飛鳥晴山苑の給与は、一般企業と一緒くらいです。住宅手当も2.5万円付きますので、だいぶその点の費用は抑えられると思います。また退職金にも2つ加入しています。1つは個人との折半ですが、もう1つは会社が全額負担しています。

アウケアサポーター:退職金はどのくらいですか?

渡邊:シミュレーションが出せるので計算してみると良いと思いますが、2つ加入しているというのもあり、相応に出ます。

アウケアサポーター:意外でした!

渡邊:はい。他にも現状は152床で、約50名程度の介護職員が基準上は必要ですが、80名の介護職がいる状況です。よって有給休暇も一定以上取れる環境があります。(※アウケアサポーター追記:飛鳥晴山苑の有給休暇取得率は「60%」。介護業界の平均は「52%」です)

渡邊:夜勤明けだと午前10時くらいに退勤となりますが、アクセスが良いので、その後池袋で遊んでいくなどもあるみたいです。住宅街にも囲まれており、裏が大きな公園なので、都内にも関わらず、自然環境がたくさんあり、環境面には恵まれています。

質疑応答-2

参加者:異動はありますか?

渡邊:本人が希望しなければありません。年1回の施設長面談で、異動や今後の配置の希望を話して頂いたりします。「資格を取って、それを生かした仕事がしたい」などもそこで相談いただけます。

アウケアサポーター:幾つかのステップで未経験の方が、介護の仕事に慣れることをお話しされました。利用者とのコミュニケーションは、各ステップでどう変わっていくものですか?

渡邊:リハビリ予防型のデイサービス->1日型のデイサービス->ショートステイ->特別養護老人ホームという順番で、介護度が重くなっていくので、利用者とのコミュニケーションは取りづらくなってきます。自分で意思表明をすることが少なくなり、また身体的な変化も出てきます。

アウケアサポーター:ありがとうございます。職員間のコミュニケーションには違いがありますか?

渡邊:デイサービスは日中職員が多いです。逆に特別養護老人ホームは24時間365日稼働するという特性上、職員間での引き継ぎがずっと続き、また夜勤もあり、時間帯ごとにシフトを組むので、一緒の場で仕事をする機会は減り、職員間のコミュニケーションが難しくなってきます。そこでソフト等を通じて、申し送りをし、意思疎通を図ることになります。

アウケアサポーター:ありがとうございます。生活支援職はどうですか?

渡邊:生活支援職は、現場の職員とやりとりが発生します。例えば、掃除の指示が、介護職から出るので、そこでやり取りが発生するイメージです。

参加者:利用者とのコミュニケーション/意図を察する力を身に着けることはできるものでしょうか?

渡邊:研修や他の職員からのアドバイス等を通じて、身につけることができますし、経験値が溜まっていくものです。また、認知症の専門的な研修等もたくさんあります。勉強会もたくさんあり、そういった場で少しずつ身についていきます。ご懸念の点は最もで、そこは「ずっと勉強が続くもの」だとお考えください。

参加者:ありがとうございます。生活支援職の1日の流れを教えてください。

渡邊:部屋の掃除を1日8人ずつ分くらいでやっていきます。特別養護老人ホームの場合はベッドメイキング、ショートステイの場合は部屋をきれいにする仕事です。介護職と連携しながら、比較的、自分のペースで仕事ができます。

参加者:ありがとうございます。デイサービスの1日の流れはどんな感じですか?

渡邊:リハビリ特化型の場合、早番と日勤があります。早番は8〜17時、日勤は8時半〜17時半です。まずは、車に添乗し、利用者を迎えにいきます。施設に来たら、検温/バイタル測定をします。機械ごとに担当がついて、サポートし、最後に利用者を送りにいくというのが基本的な流れです。これを午前と午後、別のグループに対して行います。1時間休憩があります。移動含めて3時間なので、あっとういう間に終わる感じです。

参加者:車の運転は発生しますか?

渡邊:基本的には専属ドライバーがいるので、そこに任せます。やれる人にはお願いすることもありますが、できないのであれば無理にやることはありません。なおハイエースを使用していますが、ハイエースを運転したことがない職員が、他の職員と共に特訓して、その後運転ができるようになったという事例もあります。車が走るルートはほぼ一緒です。リハビリ特化型の場合、車椅子の方もほぼいないので、移乗が発生することもありません。

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