さまざまな現場でご活躍される多種多様な介護職の方に、ただひたすらインタビューしていく「カイゴ録」。 今回、第3弾としてインタビューさせていただくのは、Sさんです✨

Sさんのプロフィール

Sさん

Sさん
機能訓練士として特別養護老人ホームに勤務後、いまは独立して訪問マッサージを実施

自己紹介

けあ子

けあ子

今回のSさんは、第2回目のNさんからバトンを繋いで頂きました😄 まず簡単にSさんのこれまでについて教えてください⭐️

Sさん

Sさん

最初は機能訓練士として、特別養護老人ホームに入りました。週2日休めて、18時まで勤務、楽に働ければ、という感じでした。その頃は、例えば、姿勢を崩れたままで食事するのが当たり前になっていたり、おむつは定時交換、おむつ交換1時間前でお通じが出てもそのままと、いう感じでした。ちょっとな、という感じはあったけど「介護職も忙しいし、しょうがない」と思って、見て見ぬふりをしていました。

けあ子

けあ子
そうだったんですね。

Sさん

Sさん
はい。そんなある時、機能訓練士の研修がありました。シーティングの研修です。そこで「あなたは自分の施設に入居したいですか?」と問われたんです。ここではっとしました。そこからシーティングに興味を持って、勉強を始めたんです。その過程で、同僚の誘いで青山幸広さんの研修に行って「生活リハビリ」という概念に触れ、衝撃を受けました。これは仕方ないことなんだと諦めていたことが、気持ちの面だけではなく、技術を通じてやれることがあると知ったからです。例えば「この方は膝が折れて立てないのでおむつでも仕方ない」ではなく「やり方を知ればトイレにいける」とか。寝たままお風呂で、いつも騒いでた方も、「この技術を知れば、普通のお風呂に入れられる」という感じで。このままじゃいけないんだと思いました。

シーティング研修

けあ子

けあ子
そうだったんですね✨ そこからはどんな感じだったのですか?👀

Sさん

Sさん
自分の施設にアドバイザーとして、青山さんが来ることになり、実際の利用者を見てもらったり、具体的なアドバイスが貰えることになりました。研修参加者が熱くなって、施設長を巻き込んだり、いろいろと進めましたが、施設全体が盛り上がる前だったので、施設全体変える感じにはならなかったのが正直なところです。ただ、関わっていた自分や他の職員には意義がありました。

けあ子

けあ子
なるほど…

Sさん

Sさん
その後、ちょうど新設の施設を建てる予定があったので、先程のような取り組みに賛同する職員を中心にそこに異動しました。そこでは、介助方法などは理想に近づけました。寝たままお風呂はなく、テープ留めのおむつも使わず、やれました。ですが、丁寧にやる分、時間もかかるので、全体としてはバタバタとしてしまいました。どうしてそれをやるのか?という気持ちの部分まで、統一は仕切れなかった感じです。

けあ子

けあ子
そうだったんですね💦

Sさん

Sさん
自分の心の中では良い介護をしたいけど、うまくいかないという感じで… それが積み重なって、最後はその施設を退職して、介護の世界から出ることにしました。介護関連の本も半数以上は棄ててしまいましたね。

Sさんの「カイゴ録」、前編はここまでです。 後編では、一度介護現場を離れたSさんのその後を、インタビューしていきます✨