さまざまな現場でご活躍される多種多様な介護職の方に、ただひたすらインタビューしていく「カイゴ録」🎙 今日は、前回に引き続き、前川さんにお話を伺います✨

さまざまな会社を経て、ついにフリーとして新しい道を進み始めた前川さん。今、目指している介護はどのようなものなのか、そしてご自身が思う理想の介護について語っていただきました!

前川さんのプロフィール

前川さん

前川さん

訪問介護・老人保健施設・有料老人ホームなどを経験し、現在はフリーランスの介護職として活躍中!

自己紹介

けあ子

けあ子

前川さんは、今、どういうテーマで介護をされていますか?

前川さん

前川さん

とにかく現場を良くしたい、という気持ちです。でも、どうすれば良くなるのかを考えなければならないですよね。ぼくは「利用者目線」を大切にしています。

けあ子

けあ子
当たり前のように感じますが、難しいことですよね💦

前川さん

前川さん
昔からの「管理的な介護」のスタイルを変えずにやってきた施設は、まだ多いと感じています。そういう事業者が、柔軟に利用者目線で「ゆるい介護」ができるといいのにな、と思っています。アウケアを通じて関わらせていただいた施設は、まさしくそんなテーマだったので、やりがいがあります。

けあ子

けあ子
業務の改善に取り組まれているんですね✨

前川さん

前川さん
難しいですけどね… 長年のノウハウとして仕組みができあがっているのはすばらしいと感じる一方で、介護現場って想定外も多いし、利用者さんもその瞬間の気分もあるし。「管理する」思考は、想定外の排除なので、生活感を無くしていくなあと思うんです。このあたりの考え方のクセを修正するのは簡単ではないですね。

けあ子

けあ子

価値観を変えるということですものね。

前川さん

前川さん
そうですね。まだまだ上手くできません(笑) 地道に、これまでの積み重ねを否定せず、目線を変えてもらうように促していけたらと思っています。

会話

けあ子

けあ子
話題変わって、前川さんはメーカーさんでのアドバイザーもされているんですよね?

前川さん

前川さん
そうなんです。まだ正社員で仕事していた頃に、介護施設での介護ロボットの実証実験に立ち会う機会がありまして、「あ、こんなスゴイものがあるんだ」と感動したんです。

けあ子

けあ子
介護ロボット!?いろいろな意見がありますよね💦

前川さん

前川さん
ぼくが関わったのは、お部屋の中の高齢者を、センサーとカメラで見守るというシステムでした。監視システムとか言われたりもして、賛否両論ありますね。

けあ子

けあ子
たしかに監視のようにも感じます。利用者目線というより介護者目線のような…

前川さん

前川さん
ぼくは、この手のシステムは今後必要だと思ってます。賛否両論ありますけど、要は、どう「利用者目線」で使いこなすか、だと思います。ぼくが関わったシステムは、デザインがカメラっぽくないし、従来からのセンサーマットのようにお部屋の中で音が鳴るわけでもないので、利用者目線で考えると「さりげなく見守れる」のかな、と思いました。

けあ子

けあ子
使い方を間違えなければ、それによって得られるものもあるということですね✨

前川さん

前川さん
そうですね。見守りシステムであれば、事故を防げる可能性は高くなると思います。例えばよくあるのは「個室で転んで骨折」というパターン。これは防ぎようがないことも多いですし、そもそも骨折は回復するまでに時間がかかるんです。ここで、さりげなく見守るシステムを使えば、事前にアクシデントを防げるかもしれないんですよね。利用者目線に立ったとき、本人の想いを尊重しつつも骨折を避ける、ということは、かなり大事なポイントだと思います。これからもっと人員不足になっていくので、介護ロボットやICTの活用は、現場を良くすることにつながると思いますけどね。

けあ子

けあ子
たしかにそうですよね😊人員が足りないところを補ってくれるのは、すばらしいことだと感じます⭐️

前川さん

前川さん
ICT機器などは、足りないところを補ううえ、人間にはできないセンサーでの感知によって、寝てる人の脈拍や呼吸がわかるという、人間には不可能なことをやってくれるシステムもありますしね。どういう価値観でどのように使うかで、現場の質も変わるかもしれません。身近なものでも、申送りなどにLINE WORKS(ビジネス版LINE)を取り入れていくのもいいと思いますし。

FAXとLINE

けあ子

けあ子
ありがとうございます✨よくわかりました😄 先ほど「利用者目線」という話もありましたが、多くの現場を経験してきた上で、「いい介護」について、どのようにお考えでしょうか?👀

前川さん

前川さん
そうですね。ノーマライゼーションと言いまして、誰もがノーマルな暮らしができるようにしようという思想があります。そんな感じで、誰にでも同じように自然に接することが大事だと考えてます。ちょっと昔の話にさかのぼるんですが、小学生のとき、同じクラスに発達障害の子がいたんです。ぼくはあまり深く考えたりせず、他の友達と同じ感覚で遊んでいました。でも「なんであの子と遊んでるの」と普通とは違うと捉えている子もいました。これって多分親の影響とか教育方針とか、そういうものと関係がある気がするんですよね。

けあ子

けあ子
ご両親の考えなどが、前川さん自身の仕事観に影響しているということですね。

前川さん

前川さん
そうですね、実は影響されているところもあるのかもしれないです。ちょっと本筋からずれますが、ぼくの兄がとても優秀で、某有名大学に進学したんです。ぼくは勉強をしなかったんですが、親はそれでもぼくたち兄弟を比べることなく、平等に接してくれました。そういう育ちかたをしているからか、本当にだれに対してもフラットになれたのかなあ… と、勉強しなかったことを前向きに捉えています(笑)

けあ子

けあ子
そういう価値観が、介護にフィットしているんですかね😊

前川さん

前川さん
そうかもしれませんね!ノーマライゼーションの考え方も自然と受け入れられましたし、「利用者目線」というのもこの辺りから来ているのかもしれませんね。もともとの価値観が介護にぴたっとハマった気がします。この考え方というか価値観は、自分の軸になっているものなので、変わらないだろうなと思います。これからも自分の軸を大切にした介護をしていきたいですね!

前川さんのカイゴ録、中編はここまでです😊 次回は、現場でどのように動くべきかという話や、前川さんが思う介護業界の課題などについてお伝えします!お楽しみに♪

次回予告