さまざまな現場でご活躍される多種多様な介護職の方に、ただひたすらインタビューしていく「カイゴ録」🎤

今回も、前回に引き続き、山川さんにお話を伺っていきます!✨ さまざまな施設で経験を積まれた山川さんが思う、介護において大切なことや、実際に管理職として現場でされていた工夫とは…?

さっそくお話を伺っていきましょう!


山川さんのプロフィール

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山川さん

リハ特化型デイサービスの管理職を経験。現在は病院でPCR検査の事務局をやっている。

■グループホームで実現した理想のケア


けあ子

けあ子
前回は、山川さんがこれまで働かれてきた職場でのご経験についてうかがいました。
個人に合ったケアの実現も達成されたとのことでしたが、その後についてもお話を聞かせてください👀

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山川さん
その後、一時介護を離れましたが、夜勤をしながらグループホームのアドバイスをするようになりました。そこでは、オムツ外しや全員での看取りなどを実現しました。

けあ子

けあ子
それはすごいですね😳

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山川さん
看取りについては、最初は、死を忌み嫌うような風土がありました。でも、みんなで看取りをやろうということで、花をみんなで摘んできたり、みんなで見送るように、変えて行ったんです。

けあ子

けあ子
なるほど!✨ オムツ外しについてはどのように取り組まれたのですか?

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山川さん
「オムツの廃棄ゴミはコスト」なので、「ちょっとでもコスト削減しましょう」という説明を行ったり、「オムツの交換がしんどい 」という声に対して、「楽になるよ」という名目で呼びかけたりしました。トイレに行ける人は、リハビリパンツを、布パンツや下着とパッドの形式に変えて、9ヶ月目にはおむつを全部外すことができました。

けあ子

けあ子
素晴らしいです!

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山川さん
結果、家族から評価を得たり、オムツの経費や捨てる時間の削減になったりしました。また、排泄が整うと、周辺症状も軽減されたんです。具体的には、帰宅願望や弄便などが全部止まったんです。

けあ子

けあ子
それもすごいですね!😳

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山川さん
これらの経験から、介護においては、「人ととしての生活を取り戻す」ことが大事だと思っています。スタッフにも、「認知症があるからといって蔑まないで。その人にもできることがある。できないところをちょっとサポートしよう」と言っています。

けあ子

けあ子
とても素敵な声かけですね☺️

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山川さん
今まで、介護というと、「車椅子よっこいしょ」や「2人介助」が基本でしたが、ほんのちょっとだけでも「待つ介護、待てる介護」であることが大事だと思います。

けあ子

けあ子
「待つ介護、待てる介護」…!✨

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山川さん
それから、オムツ外しは、実現することで、スタッフが本当に楽になるんですよ。利用者の、普通の生活のリズムを、尊重できれば良いんです。お風呂の時間も、朝早い時間ではなくて、昼ごろからゆっくりにして、そこのスタッフを厚めにしたりとか。

けあ子

けあ子
そういった工夫もされていたんですね!

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山川さん
それから、賑やかにする時間は、ボランティアをうまく活用するんです。一緒に音楽を演奏したり、一緒に作業をしたりとか。元気な方には、お風呂やトイレ掃除をやってもらったりもしました。意外ときれいにしてくれるんですよ!できていないところは夜勤の方にやってもらうとか、工夫すれば良いですからね。

けあ子

けあ子
なるほど!✨

■介護が好きな人にはやめないでほしい


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山川さん
といっても、実際には、今話してきたような介護をやりたくない人もいます。だからこそ、「何が困っている?」「どこがしんどい?」ということをスタッフに聞くことが大事なんです。スタッフのためのケア会議をやったりとかして、「どうしたら楽になるか?楽しくなるか?」という視点を持つことが大切です。

けあ子

けあ子
スタッフ目線の視点…!

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山川さん
実際に、ポストイットに匿名で書いて貼ってもらって、1ヶ月だけやろう、というやり方をとっていました。嫌がる人には、なぜ嫌なのかを聞きつつ、代案を出させました。嫌で辞める方もいましたが、その考え方で頑張ろう、という方も多く残りました。結果、職員が他の職員を紹介してくれるようになり、賛同する人が増えていったんです。

けあ子

けあ子
それはすごいですね!

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山川さん
そうなると、スタッフ同士で譲り合いをして、シフトの調整などができるようになりました。意見を吸い上げ、意見があっているところはそのまま進め、相反している意見をどう近づけるのか?ということを大事にしていました。

けあ子

けあ子
そうだったんですね!

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山川さん
私の立場では、ファシリテーター的な存在になるのが大事だと思っています。どうしたら意見をすり合わせられるのか考えて、心意気がある人を、やめさせないことが大事ですね。でも、どうしても意見が合わなければ、それは最後はしょうがないです。あまり追いかけすぎなくても良い、と思っています。でも、介護が好きな人には、やめないでほしいですね。

けあ子

けあ子
とても素敵です☺️ 最後に、今後の展望を教えてください!

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山川さん
今後は介護に戻る予定で、地域の困りごとをなんでも引き受ける、万屋を作っていきたいです。施設での介護は、トップの考えが反映されるので、職員がいくら熱意を持っていても、やりたいことができなかったりするんですね。そういう人のための場を作っていきたいです。それから、人のために、という気持ちを忘れず、介護をクリエティブに伝えていきたいです。

けあ子

けあ子
応援しています!ありがとうございました!

前後編の二部にわたってお届けした山川さんの「カイゴ録」は、これでおしまいです。 いかがでしたか?✨

次回はどんな素敵な方にお会いできるのでしょうか? ぜひ楽しみにしていてくださいね!♪