今回は、三好春樹さん特別インタビュー「生きる力・自己肯定感を生産する介護の仕事」ということで、全5話にて、インタビューを掲載していきます。

編集部:前回までに「今の介護が戦う『合理主義・効率主義』」ということで、簡単なこれまでの歴史と、介護が何と対立軸にあったのかをお話いただきました。とてもわかりやすかったのですが・・その中で、三好さんの役割はどの中でどう変わってきたのか、今日はお聞きしたいと思います。

三好 :当時現場にはいったのは24歳です。今は71歳になりました。いろいろな本を書いてきましたが、結局、良い介護は何か、というのがシンプルなものだと思っています。

編集部:はい。

三好 :「お年寄りが嫌がることをしない」ということです。ただこれは、本人の言うことを聞けばいいかというと、そうではありません。ましてや、専門家の言うことをそのままやることでもありません。良い介護は、何処かにあるわけじゃないんです。良い介護は、その場その場で成り立ちます。瞬間的なものです。

編集部:なるほど・・・。

三好 :良い介護をするために、全員がマザーテレサになる必要はありません(笑)。誰でも天使にも悪魔にもなるんです。それは、どこで決まるか・・。

編集部:どこで決まるのですか・・・?

三好 :どんな人でも、余裕がなくなると、悪魔になると思っています。なので、「余裕」をどう作るか?こそが大事だと思っています。この20年、 制度・政策は変わりませんでした。人員配置と給与を増やすという現場の要望に対して、むしろ悪くなっています。昔は、公務員並の5ヶ月分の賞与がもらえていましたから。 全然よくなっていません。

編集部:なるほど。

三好 :ただ、じゃあ仮に、職員配置が2倍になったとしても、それで現場が余裕を持って、利用者の手足を縛ることになりかねないのが、今です。だからこそ、外的な要因が変化した時に、それに資する現場になっているか。介護の内面的な余裕を作りたいと思っています。 考えられる余裕や仮説を作る、そういった、方向を示していきたいと考えています。

編集部:とてもよくわかりました。

#3「95%はマニュアル対応で良い、でも・・・」もお楽しみにお待ちください。