「介護の仕事ってどんな仕事?」と聞かれた時にあなたは何と答えるでしょうか。

介護の仕事を説明する言葉はたくさんあると思います。イメージでもやっている仕事内容でも、やりがいに関するものでも良いでしょう。その一方で、介護という仕事が「公的にどのように位置付けられているか」という視点から説明するというのも面白いかもしれません。

皆さんは総務省の「日本標準産業分類」をご存知ですか。日本には金融、運送、農林水産など多様な産業があります。これは、その名の通り日本の産業を分類したものなのです。

では介護はどんな産業として分類されているでしょうか。よく世間では「介護は究極のサービス業」などと言われることもありますが、サービス業に分類されているのでしょうか。

介護を探してみると、「大分類P 医療、福祉」「中分類85 社会保険・社会福祉・介護事業」の中の小分類の、更に中にある細分類に福祉事務所や児童福祉事業、老人福祉・介護事業などがあります。つまり、よく言われる究極のサービス業、接客業というのは、別分類になると思うので、介護はこの分類上は「医療、福祉」の一分野と言えますね。ちなみに社会福祉の中には保育所や障害者の方に関わる福祉事業などが入っています。

日本ではなく、世界に目を向けてみると『国際標準産業分類(ISIC)第4次改定版(仮訳)』では「大分類 Q 保健衛生及び社会事業」「中分類87 居宅ケアサービス業」「中分類88 宿泊施設のない社会事業 」などに、障害者や高齢者への事業が分類されています。その他の日本でいう社会福祉関係は「大分類 O公務及び国防、強制社会保障事業」のこの強制社会保障事業?に入るのでしょうか。世界と日本では少し違いもありそうですね。

ということでまとめると日本において介護の仕事は、「医療、福祉」の中にある「社会保険・社会福祉・介護事業」というところに分類されており、サービス業や接客業とは異なる産業だということですね。

いかがでしょうか。ところが、介護には驚きの分類がまだあるのですが、それはまた次回に。

※本稿は、金山峰之さんからの寄稿記事です。

※ 金山峰之さんのプロフィール 介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員。法政大学大学院政策創造研究科修士課程修了。 在宅介護を中心に15年以上現場に従事。現在フリーの介護福祉士として、高齢、障害者介護現場の傍ら、介護人材の育成、講演、研究、コンサルティング等に従事。