さまざまな現場でご活躍される多種多様な介護職の方に、ただひたすらインタビューしていく「カイゴ録」🎤 今回、13人目としてご登場いただくのは、「よりよく出す」ためのサポートをする、「DASUケアLAB」代表で、排泄ケアに取り組まれている、大関さんです。
前後編の二回にわたってお届けしますよ!⭐️
それでは、大関さんのお話をさっそく伺っていきましょう✨
大関さんのプロフィール
大関美里さん
「よりよく出す」ためのサポートをする、「DASUケアLAB」代表で、排泄ケアに取り組む。ブログ「シッカリ出してスッキリ生きる、こころとカラダのDASUケアblog.も執筆中。
■大好きなおじいちゃんの介護が、辛かった
けあ子
今日はどうぞよろしくお願いします!
大関さんは、「DASUケアLAB」代表ということですが、排泄ケアに興味を持たれるようになったきっかけはあるのですか?👀
大関さんは、「DASUケアLAB」代表ということですが、排泄ケアに興味を持たれるようになったきっかけはあるのですか?👀
大関さん
物心ついたときには、介護職になりたいと思っていました。専門学校に通っているときに三好春樹さんの本に出会い、もっと勉強しようと思って、社会福祉士の勉強を始めました。
けあ子
なるほど!
大関さん
そこから特養に就職して働いている中で、おじいちゃんの介護が必要になりました。自分はおじいちゃん子で、実際に現場を見ていたからこそ介護職の方の対応にも敏感になってしまうだろうと思い、自分たちで介護をすることにしました。
けあ子
そうだったんですね…!
大関さん
おじいちゃんが頻尿だったので、その対応が大変でした。私も介護鬱のような状態になってしまって…結果、なんとか家で看取ることができました。でも大好きな存在なのに、鬱になった自分と、本当に思うような介護ができなかったことがどうしても腑に落ちなくて、原因を掘り下げたら、自分がおじいちゃんの頻回なトイレに単なる対処しかしていなかったことに気付いたんです。
けあ子
それでは、そこがきっかけで現在の排泄ケアへの取り組みにつながっているのですね!
大関さん
はい。それから、排泄の勉強をしようと思うようになりました。最初はおむつメーカーで働き始め、おむつのケアの研修で施設や病院にいくようになりました。そこで、排泄はあまりにも身近すぎるために、みんなあまり深く考えられていないことに気付きました。現場の職員は周りの職員がどうしているか?がわかりづらく、また頻回な人に対して、原因がわかりにくいために、苛立っているような雰囲気も見受けられ…でもそういうことってとっても多いんです。
けあ子
なるほど…💦
大関さん
その後は、あるタイミングで別の一般社団法人に転職しました。そこで働いている間に、あるセミナーコンテストに出場して、優勝したんです。
けあ子
それはすごいですね!✨
大関さん
全国大会にも進み、自分を深掘りしたことで、「DASUケア」という言葉が生まれました。その言葉と一緒に、介護うつになってしまうような過去の自分と同じような方へ、排泄ケアのポイントと共に心もしっかり出してスッキリ生きることをお伝えできたら、と思うようになりました。そこから、徐々にオファーもくるようになり、フリーランスで働き始めて、現在3年目になります。
■大切なのは、一番最初の「声かけ」
けあ子
そうだったんですね!😊 それでは、排泄ケアについて、課題だと思われているのはどこですか?
大関さん
一見すると、同じような繰り返しの毎日で、どうしても業務優先になってしまうと、意図せず「利用者さんを人として見れていない」状況になってしまうことですね。
けあ子
利用者さんの尊厳が保たれていない言動をしてしまう、ということでしょうか。
大関さん
背景として、介護職になって、初めて「排泄を一人ではできない人」に直面する、というものがあると思います。利用者の方も、虐げられたり、不安になったりすると、また排泄に悪影響が出てしまう、という悪循環にも繋がってしまいますよね。
けあ子
確かに…😰
大関さん
大切なのは、最初の声かけなどの出会い方だと思っています。声かけについては、目を見て行うことや、そのタイミングも重要になってきます。排泄ケアをどうしようか、と考える手前で、利用者さんとどう出会って言葉をかけるのか、のファーストアプローチがうまくいかないと、後々の排泄ケアもうまくいかないことが多いです。
けあ子
なるほど…
大関さん
また、職員が、「どうしても出さなきゃ」と思ってしまいがちな部分もあると思います。それで下剤を使うと、余計大変になってしまうことも多いんですよね。まずは、おむつからの外漏れを少なくしていくにはどうしたら良いんだろう、と考えてもらうことが一番はじめに越えていきたい一つの山かと感じます。考え方のポイントは、blogでも取り上げているので、もし良ければご覧ください!(笑)
けあ子
そうなんですね!✨ そこからは、どのように取り組んでいったら良いのでしょうか?
大関さん
まずは「皆さんが困っていることを解決する」視点を大切にしています。あまりに大変な毎日の中で、「仕事が増えた」という印象にならないように、目に見える解決をどれだけ提示できるかが、ポイントかと思います。現場の皆さんの一番目に見える負担感を少しでも軽くすることです。
そうじゃなきゃ、新しい取り組みなんて受け入れられない。だから、おむつからの外漏れを解消してから、その成功体験をガソリンにしたい。そうすると、おむつサイズやパッドの適合が進んで、余分なおむつ類が要らなくなっていきます。
けあ子
なるほど!
大関さん
そして、テープ止めタイプ・履くタイプのおむつから、麺の下着+パッドでもいいじゃない!という動きになって、布製品のアウターの選択肢も増えていく。そうすると、利用者さんの背筋が伸び、姿勢や表情が変わります。それを外から見ているスタッフさんも「おむつをはくAさん」から「下着姿のAさん」に変化し、接遇までが変化していきますよね。
けあ子
そうやって徐々に変わっていくのですね☺️
いかがでしたか?✨ 次回は、現在大関さんが実際に現場で取り組まれている内容や、今後の展望についても聞いちゃいます! ぜひ楽しみにしていてくださいね♪