■医療依存度が高い方が増え、特別養護老人ホームの稼働率に影響を与えている

東京都社会福祉協議会 東京都高齢者福祉施設協議会 制度検討委員会 が実施した第3回(平成29年度) 東京都内特別養護老人ホーム入所(居)待機者に関する実態調査 【報告書】より、データのご紹介です。

この調査は特別養護老人ホーム(以下、特養という)の入所要件が原則要介護3以上となることで、入所待機者が減少 する傾向を把握したことからスタートした調査で、稼働率の影響やその要因を探り、対策を示す為の調査結果になります。

その中で、2016年から2017年の稼働率に関しては、低下傾向を示した施設の割合が「80.6%」と大部分を示していました。

そしてその要因として最も大きかったのが「入退院の増加」ということで、その背景には「重度化・医療依存度化」が進んでいると指摘されていました。

■医療的ケアへの対応を積極的に行う特別養護老人ホーム桜の丘

社会福祉法人白山福祉会が運営する特別養護老人ホーム桜の丘では、2017年時点で医療的ケアの対象者が23%でしたが、2019年には52%と大幅に増加しています。

桜の丘に勤める看護師もこの点にはやりがいを持って対応している状況です。

また看護師がこういった点について、知識の提供や指導をする中で、介護職も積極的にその点を学ぶを通じて、看護師とも対等に議論していけるようになり、結果として、介護職の職種としての地位が上がっていくと考えています。

ICT活用を一定打ち出している為、こういった取り組みがフォーカスされづらくなっておりますが、一つの施設の特徴としてこういった点も是非ご理解いただければと思っています。