今回は、三好春樹さん特別インタビュー「生きる力・自己肯定感を生産する介護の仕事」ということで、全5話にて、インタビューを掲載していきます。 ※ 前回の記事「『良い介護』は、どこかにあるわけではない。その場で成り立つ」はこちらから

編集部:とてもよくわかりました。先日、髙口光子さんとお話した際に、これだけ高口さんも三好さんも長いこと発信を続けてきたけれども、まだ自分たちは少数派だと仰っていました。その点について、三好さんはどうお考えですか?

三好 :ずっと異端でした(笑)。医療関係者からバッシングをかなり受けてきました。それでもブレずに発信をしてきましたが、未だに共感して実践しているところは5パーセントしかないと感じています。

編集部:そうなんですね。

三好 :でもそれでいいと思っています。実際、利用者の95%は、介護保険制度で基本的に対応できると思っているからです。そこはマニュアル的対応で良いと考えています。むしろ、規制・マニュアルが通用しない、残りの5%に対応できないことをどう捉えるかです。

編集部:なるほど・・。

三好 :これまではその対応できない5%の方が、精神病院に入れられ、多くの医療費が掛かってきました。もちろん様々な労力が掛かります。それを、引き受けようとしているのが「良い介護」ということです。それが、 なぜ大事か?

編集部:はい。

三好 :95%の方も、いつ5%になる側に入るか分からないということなんですね。そこに「良い介護」が対応しているのを見ると、「あんな大変な人に対して、そこまでやっているのね」ということで、残り95%の方の安心感になります。

編集部:なるほど・・!

三好 :教育の世界でも「問題児は宝である」という言葉があるそうです。問題児にどこまで対応するか、は残りの95%に影響します。そこを無碍(むげ)にすると、95%が落ち着きがなくなるんですよね。確かに、5%へのは大変です。だからこそ、スキルアップします。それを共有して、工夫ができる様になります。実際に病院からきた人が、最初は怯える様に、目もとろんとしていて・・そんな人が、1ヶ月で笑顔になります。そういうのは介護職の人は嬉しいですよね。

編集部:そうですね。

三好 :そうやって、マニュアルがない・方法論がない、いわゆる問題老人がいても、5%としてちゃんと対応することで、全体の効率が良くなる、ということです。これが、深いところでの安心感になります

編集部:なるほど〜〜!

三好 :いつもそういった対応をしよう、ということではないんですよね。通常は60点で良いんです。ただ何かあった時に、そういう対応ができるようになっている、ということが大事ですね。

#4「生きる力・自己肯定感を生産する介護の仕事」もお楽しみにお待ちください。