8月29日に行われた白山福祉会オンラインセミナー「『絶対に』成長する介護職、『絶対に』成長しない介護職〜ヒト中心だけど、ICT化推進とその本質〜」の要旨をお伝えさせて頂きます

■タイトルに込めた意味

・「成長と拡張は違う。その違いとは何か?成長の反対は未熟。拡張の反対は縮小。成長するというのは「人間性・倫理観・社会性」を指しており、拡張するというのは「能力・スキル・できること・知識・行動力」を指している。



ICT化に関する思い込みが多い。それは「『機械化=ロボット導入』と思い込んでいる」「介護は人の手で行うもの、温かみがない」「デジタルは苦手」など。1つ目や2つ目は後から説明するが、3つ目については、「スマホを多くの人が使っているという矛盾」がある。スマホを使っているのに、デジタルは苦手、ということは本来はない。

・ICT化については、「いつでも、どこからでも『クラウド化』」がキーワードになる。 ICTにおいて、全産業で遅れているのは、デジタル化ではなく「クラウド化」。つまりは、情報共有が肝であるということ。情報共有は、「瞬時に」「同時多発的に」が大事である

人員不足だからICT化推進が目的ではない。よって、「目的・意味・価値」の3つの明確化が大事になる。

■では、ICT化は、何のためにやるのか?





ICT化推進の本質とは何か。それは「生産性向上/専門性向上」や、「暮らしの楽しみを作るための時間を生み出す為に、間接業務の効率化を図る」ことが本質である。

生産性向上=ケアの効率ではない。生産性向上=専門性向上でなければならない。「専門性向上活動のための時間作り」や「専門性を発揮する仕事に集中できるようにする質的向上」が意味になる。

・時間の価値への意識改革が最も大事である。時間の価値への意識改革、つまり間接業務の効率化・自動化を図ることが大事。逆に言えば、face to faceの負担は減らせない。合理化ができる事業か否かの区分する。 直接ケアの部分は効率化できない!



■では、何から始めるのか?

・ICT化の推進において、管理や複雑さの増加はNGである。人が行わなくても良い仕事を減らすことが大事。よって、導入前後の行動時間を比較する。負担軽減の感じ方は人によってバラバラである一方、時間の増減は絶対的エビデンスになる。

・よって何から始めたのかというと「 介護スタッフの動きを全部棚卸し」「行動の数値化/定量化」「全てお金/人件費に換算」した。これは業務を早くするために計測しているのではない。が、1日24hを変えることはできない中、人の数の問題とするのではなく、1人の時間をどう変えていくのか?の為に取り組んだ。

直接業務と間接業務のすみ分けし、間接業務と直接業務の配分を変えていく。

■3つの事例から見るその効果

間接業務の効率化。1人1台スマホによる記録。情報共有方法の一元化「いつでも、どこからも」の仕組みを導入し、申し送りを撤廃した。

・ベッドに体重測定自動化できる機器を設置。現場で行う体重測定を自動化 = 人が行う体重測定業務を廃止した。

勤怠認証を顔で実施し、シフト変更による出勤状況の確認業務をなくした。カード・紙もゼロに。これは働いている人をしめつけているわけではない。正直な人が損しない仕組み。

以上はほんの一部で、大変濃いセミナーとなりました。第二回目も予定しておりますので、ここには記載していないその他の具体的事例などを知りたい方、是非ご参加ください!

(第二回は10/10(土)の18時〜となりました。申し込みはこちらから