【カイゴ録 Vol.5 中編】トップでなくても、施設は変えられる！

鞆さんは、今はどのようなポジションで、どんなお仕事をしているんですか？😄

今はフロアリーダー兼ユニットリーダーをしています。1ユニット10人で、1フロアを3ユニットでみていくのですが、そこを担当しています。当初よりは施設も良くなっているのですが、人事異動をきっかけに、良いと聞いていたフロアの質が悪くなったりすることもありました。事業所全体で目指す方向性・理念を決め、水準を一定以上にしていこうと考えました。

前編に登場した上司の方もご一緒にやっているのですか？✨

残念ながら、その上司は退職してしまいました。フロアリーダーだったのですが、「もうここでできることは何もない」と言って辞めていきました。

そうだったのですね💦鞆さんは、理念を作るために、どんな取り組みをされたのでしょうか？

まず、トップではない自分が皆を動かすにはどうすればいいかを考えました。権限を持っているわけでもないので、発言力を持たないとダメだなと思い、人が嫌がる仕事を積極的にやったり、新人研修もゼロから構築したりと、法人に貢献することにしました。成功体験を作って、上の人に提案していくんです。

すごい実行力ですね！！そうすることで、自分の意見を通しやすくしていこうと思ったわけですね。

そうですね～。でも本当に小さいことですよ。たとえばお風呂で使う椅子が壊れたら、もっといい椅子をプレゼンして通すとか。

繰り返すことで発言力も影響力も出ていきますもんね✨

それに事故防止委員会を通じて、各フロアに顔を出すようにしました。疎ましく思われていたみたいで最初はスタッフからは不評でしたね。よくわからないですが「人殺し」と言われたこともあります（爆笑）

すごいバッシングです（笑）その中でよく進め続けることができましたね💦

いまだにこれはなんのことだかわかりません（笑）バッシングはひどかったのですが、気にしなくていいと思っていました。尊敬する上司も、ほかの人からは嫌われていたし悪口も言われていましたし。「介護をちゃんとやれば、周りから言われる」くらいに思っていましたね。

そうしていくうちにちょっとずつ理解を示してくれるスタッフさんが出てきて「何かあったら鞆さんに聞こう！」という雰囲気が出来上がってきたのですね。

まさにそうです！どの道、「答えはお年寄りがくれる」と思っています。うまく行ったらドヤ顔でみんなに伝えます。実際元気になりますしね。方法論はたくさんあるので。それをやってみて、元気になったよ、と伝えることを繰り返しています。

なるほど😄

職員全体への研修も、希望者には受けてもらうのですが、だいぶ職員が参加してくれる様になりました。一定の影響力が持てた、ということで、このタイミングで理念の話をやり始めた形です。次は、どう浸透させ、どう行動に変えていくか、ですね。ちょうど施設長も変わったタイミングなので、今しかないと思って、やっています。理念の話も「新人研修でみんなにこの理念を教えているので、これでいきましょう」ということで、通していきました（笑）

そうだったんですね✨

それでも研修に興味を持たない人、研修を受けない人、僕をきらいな人（笑）もいます。そこにどう行動してもらうか？ということで、今、方針を一枚にまとめて、まずは知ってもらおう、と思って進めています。それにプラスして月に1度、全体の勉強会も設定しています。いろいろと話し合い共感・反感が生まれてきています。実際にあったケースを挙げて、方針である「その人らしい生活を支える」ことの理由や結果、背景を伝えています。あと施設長の方針や意見はやっぱり大きいんです。施設長をいかに現場に巻き込むか、その点も大事にしています。