さまざまな現場でご活躍される多種多様な介護職の方に、ただひたすらインタビューしていく「カイゴ録」🎙 今回は、その第6弾です!

前回は、前川さんのご経験から、「いい介護とは何か」について熱く語っていただきました。 後編となる今回は、前川さんが思う介護業界の問題点や、後輩たちに伝えたいことなどを伺いました♪ それではどうぞ~!

前川さんのプロフィール

前川さん

前川さん

訪問介護・老人保健施設・有料老人ホームなどを経験し、現在はフリーランスの介護職として活躍中!

自己紹介

けあ子

けあ子

前編中編を通して、前川さんのこれまでの経験と、多くの施設を通して思ったこと、感じたことをお話していただいてきました。いろいろな施設を経験して、改めてこの介護業界の問題点とは何だと考えていますか?✨

前川さん

前川さん

介護職って離職率が高いイメージがありますが、確かに他の業界と比べても若干高いようです。まあ、辞めてしまうことは仕方ないかな… とも思いますが、問題はその理由かなと感じています。

けあ子

けあ子
どんな理由なんですか?気になる…👀

前川さん

前川さん
(笑)!気になりますよね。ズバリ人間関係… これはどの業種でも上位にきますよね。その次くらいにくるのが「法人や事業所のやり方、方針が合わない」というものなんです。ここに介護業界の課題が隠されているような気がしています。

けあ子

けあ子
どういうことですか?⭐️

前川さん

前川さん
一般的に、介護は正解がないとか、介護職の専門性はなに?ということを言われがちです。つまりそれは、人によって正解が違う環境なんです。利用者目線で時間をかけて利用者さんと関わる人もいれば、効率的に業務を回すことを優先して、利用者さんとあまり関わろうとしない人もいます。

けあ子

けあ子
そうかあ、やりたいことや想いがズレてくるんですね。😅

前川さん

前川さん
そんな感じです。自分にとっての正解が、職場の正解ならいいんですけど、違っていると結構ストレスですよ。「なんであんなことするんだろう」って思っちゃう(笑) ここで、改善するために何ができるだろう?と行動に移していける人は、このズレを解消できないと「法人や事業所のやり方、方針が合わない」と感じてしまって辞めてしまうことになりますよね。ポイントは、事業所としての軸があるか、その軸は介護職のやる気を上げるものか、新しい風を受け入れる風土があるか、だと思います。閉鎖的な事業所も少なくないと感じています。

けあ子

けあ子
なるほど...😅

前川さん

前川さん
介護職が問題意識を持って、それをどうにか解決しようと動く……。リーダーに相談するとか施設長に相談するとか。でも“動きにくい”環境だと、モヤモヤしてしまうんですよね。動きにくい環境は、リーダー層などのマネジメント側によるところも大きい。そこをなんとかしないと、現場は絶対に良くならないですよね。業界の課題はズバリ、ココなのかなと思っています。

けあ子

けあ子
前川さんは、どのようにして乗り越えたのでしょう??⭐️

前川さん

前川さん
僕の場合は、そのタイミングで「立場」をもらえたんですよね。下の人たちの意見を汲み取って、改善プランを提案して……っていう、上に働きかけができる立場だったんですよ。なので、比較的ラッキーだったと思いますね。大変でしたけど(笑)

下の人の意見を汲み取る前川さん

けあ子

けあ子

今、お話してくださったこの問題点ですが、誰しもが中編で話をしていただいたように、前川さんのようにすんなりと「利用者目線」を持てるわけでもないと思います。どうやってその意識を変えていったら良いんでしょうか?💦

前川さん

前川さん
ひとつの案として、利用者体験をしてみる、というのはどうかな?と思っています。誤嚥予防のトロミのお茶を飲んでみる、ムース状の食事を食べてみる。美味しいのか食べないとわからないですしね。他にも、ベッドの背中を上げたり下げたりされた時の身体の辛さ、おむつをはいて排泄した感覚も、体感するとケアのやり方が変わると思います。背抜きしてあげよう、おむつはすぐ替えてあげようと自分事として思えますから。体感すると結構不快で… ライターの島影真奈美さんとのラジオでも、オムツ体験の生中継やりました(笑) アウケアさんで利用者体験会をやってもいいかもですね(笑)!

笑っている二人

けあ子

けあ子
それはとても良いアイデアですね(笑)✨ 

前川さん

前川さん
たぶん介護に正解はあって、ぼくは「利用者さんが快適に暮らせるための行動をする」ことかと思っています。やり方や理論は何でも良くて、目の前の利用者さんが笑顔になれるような行動をすることが正解かと。HOW TOを学ぶのも必要ですけど、利用者さんの想いを知ろうとすることが一番大事なのかと思います。おむつにおしっこしてみれば、少しはわかります(笑)

けあ子

けあ子
たしかにそうですよね✨

前川さん

前川さん
スタッフも個性があり、利用者も個性があり、相性もあります。誰がやっても均一なサービスができることは、職業としてできた方がいいんでしょうけど、利用者さんに向き合うことさえ、チームとしてできていれば、ガチガチにマニュアル作ったり、管理しようとし過ぎなくてもいいように思っています。相性で業務を考えてもいいですし。ぼくが、ゆるい介護がいいと言ってるのはこんな理由です。たとえば転倒事故とかは、ガチガチに管理すれば少なくできるかもしれないけれど、利用者さんの生活が窮屈になるかもしれない。とはいえ事故も防ぎたい。自由とリスクのバランス感覚も大事です。利用者目線で想像することが正解なのかもしれないですね。

けあ子

けあ子
ありがとうございます⭐️今日はとても勉強になりました😄またお話聞かせてください✨

3回にわたった前川さんの対談も、今回で最終回となります! 今回も介護に対する情熱を、たっぷりとぶつけていただきました😊

この企画は、インタビュー終了後にその方が尊敬する方をご紹介いただき、次回にインタビューさせていただくという流れになっています。

さて、次はどのような方にお話しをうかがうことになるのか……!! 次回も乞うご期待です☆

次回予告