さまざまな現場でご活躍される多種多様な介護職の方に、ただひたすらインタビューしていく「カイゴ録」🎤 今日も、前回に引き続き、佐藤さんにご登場いただきます✨

探し求めていた介護を実践している団体に出会った佐藤さん。そこでどんなことを感じたのでしょうか? さっそくお話を伺っていきたいと思います☺

佐藤さんのプロフィール

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佐藤 亜美さん

新卒で大手の老人介護関連会社に就職。以降、さまざまな介護団体やプロジェクトに関わり、介護業界をより良くするための活動を続ける。

プロフィール

■重い障害を持ちながらも社会に貢献

けあ子

けあ子

前回お話をうかがったときに、「利用者さんを死人のようにしていたのは、自分たちだったと気づいた」とおっしゃっていましたが、どういうことなんでしょうか?

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佐藤さん
私の働いていた訪問介護事業所で、ALS (筋萎縮性側索硬化症) の方々と一緒に過ごすうちに、私たち職員の作る環境次第で、目の前の人は生きたくもなるし、死にたくもなるんだと思ったんです。当時、その事業所に重度の障害を持つ方がいたんですが、その人は社会としっかりつながっていたんですね。職員が、その人と社会をつないで、その人は社会の中で役割を見つけることができた。重い障害を持ちながらも、しっかりと社会に貢献できていたんです。

けあ子

けあ子
それはその方にとって、とても大きな意味を持ちますよね☺

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佐藤さん
そうなんです。BLGでも訪問介護事業所でも、メンバー(利用者)が社会とつながるための取り組みに力を入れていました。社会とつながる場、仲間と集う場があることで「自分は社会とつながっている」「自分は必要とされている」と感じることができるんですよね。そして、「自分はここにいていいんだ」と思えるような居場所ができるんです。

けあ子

けあ子
なるほど…

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佐藤さん
「自分はここにいていいんだ」と思えて、心地よく過ごせる居場所が見つかると、やりたいことがどんどん出てきて、それがその人の生きがいにつながります。そして、それは介護する側のスタッフも同じなんですよね。自分が心地よくいられる居場所があると、やりたいことが次々に出てきます。どんどん良い循環が生まれるんです。

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けあ子

けあ子
すばらしい循環ですね☺

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佐藤さん
そうですね。BLG(佐藤さんが所属している団体)には、最初は副業として関わっていたんですが、その後ほかの職場を退職して、BLG一本にしました。現場に行かないとわからないことがたくさんあるので、本格的に現場で関わってみたくなったんです。

けあ子

けあ子
なるほど… 本格的に関わるようになって、どう感じていますか?👀

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佐藤さん
そうですね。今は皆が共通して目指すものがあって、そこに賛同する人が集まっている状態です。個々の介護観でぶつかることがないので、派閥なども生まれないし、本人の想いをカタチにできる、とても良い職場を作れていると思います。今は事務の仕事もしているんですが、3年近く離職ゼロで人間関係のトラブルもない、良い環境です。

■メンバーの皆と共にすごす時間に価値がある

けあ子

けあ子
それはすばらしいですね✨佐藤さんがいま特に力を入れて取り組んでいるのは、どんなことですか?☺

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佐藤さん
今は、デイサービスのメンバーが、有償ボランティアを通して社会とつながれるような仕組み作りに力を入れています。少額でもボランティア代が出ると、気持ちが変わります。こちらの関わり次第で、高齢のメンバーでも、認知症があったとしても、できることはたくさんあるんですよね。

けあ子

けあ子
なるほど…👀

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佐藤さん
そして、活動を通して、メンバーの皆と共にすごす時間に価値があると思っています。一緒にすごす時間の積み重ねで、このメンバーならこういうことができそう、これなら一緒にやれそう、ということが見えてきます。

けあ子

けあ子
活動というのは、たとえばどんなことをされているんですか?

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佐藤さん
新型コロナウイルスの感染対策グッズを梱包したり、介護事業所に届けたり、Tシャツを郵送したり… 1回で500円もらえる仕事もあるので、デイサービスの1日の利用料より稼ぐ人もいたりするんですよ。

けあ子

けあ子
それはすばらしい活動ですね!次回、また詳しくお話を聞かせてください✨

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佐藤さん
はい、ぜひ☺

佐藤さんの「カイゴ録」、今日はここまでです。

次回の後編では、佐藤さんが今力を入れている活動について、さらに詳しくお話を聞いていきます。 どうぞお楽しみに♪

次回予告