今回は、三好春樹さん特別インタビュー「生きる力・自己肯定感を生産する介護の仕事」ということで、全5話にて、インタビューを掲載していきます。 ※ 前回の記事「「生きる力・自己肯定感を生産する介護の仕事」はこちらから

三好 :最近、「マザーリング」に関する読書会をしています。その中で、「妊娠・出産・育児は言葉にならない」という話があるんですよね。その本で、私の実用「介護事典」にある、母性の話を引用してくれました。その定義は、広辞苑とは異なる定義なんです。

編集部:どういった内容なのですか?

三好 :母性とは、性別関係なく「目の前に困っている人に、なんとかしたいと思っている心」であり、介護・看護の前提、という内容です。子育てと一緒で、人間を作っていく根本的な生産性、ということですよね。介護も言葉にならない世界だと思っています。先ほどの5%の介護も言葉にならないものです。

編集部:ありがとうございました。冒頭で、駒場苑の坂野さんの話になりました。今日の話を踏まえて、三好さんからみて、駒場苑の取組みはどう映っていますか?

三好 :駒場苑は特別なすごいことをやっているのではないですよね。でもすごいと思います。普段は60%でありながら、80-90%の力を出せる取組みです。7つのゼロは、その典型ですよね。坂野さんはテロリストだと思っていましたが、言っていることやっていることは、ちゃんとしています。運営していく能力があるということですよね。私は坂野さんのテロリスト的な、非常識なところが好きですけど(笑)。

編集部:わかる気がします(笑)。こういった取組みは、業界全体に広がり得るものでしょうか?

三好 :難しい気がしますね。株式会社的な取り組みからは、駒場苑は、理解の外にある気がします。セオリーから外れているという自己否定になるからです。仮に真似したとしても、似て非なるものになる気がしますね。

編集部:なるほど。

三好 :理解の外にあるということになった時に前に進むかどうか。先ほどの通り、 わからない、というのが、介護と育児ですからね。そこはマニュアル・ハウツーではなく、1人1人のエピソードを積み重ねていくという5%への対応になります。

編集部:5%への対応は難しいですね。

三好 :そんな時は、私の著書「『実用介護辞典』を読めば、全てOKです。95%への対応とともに、例外5%の事典になってみます。客観性を保ちつつ、事例も交えていますね。実用「介護事典」がない職場があれば、ブラック企業と言えるでしょう(笑)。これが一番参考書です。

編集部:ちょうど良いPRになりましたね(笑)。今日は三好さんに「良い介護」について語っていただきましたが、今後も、色々な形でご一緒できればと思っています。ありがとうございました!

三好 :ありがとうございました。