さまざまな現場でご活躍される多種多様な介護職の方に、ただひたすらインタビューしていく「カイゴ録」🎙 今回、第7弾としてご登場いただくのは、木場さんです✨

木場さんは、「佐藤さん」という方からバトンを繋いで頂きました(…が、佐藤さんの記事はまだアウケア上に公開されていません💦公開までもう少々お待ちください😄)

木場さんのプロフィール

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木場さん

介護福祉士/東京大学文学部卒/株式会社リクシス役員(CCO)。在学中から現在まで20年近く現場の介護職として在宅介護に携わり、のべ500組ほどの高齢者とご家族の支援を行う。

自己紹介

■困難事例が好きだった現場時代


けあ子

けあ子

まず簡単に、木場さんのこれまでについて教えてください⭐️

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木場さん

東京大学在学中だった2001年から、20年近く介護の現場で働いてきました。主に在宅介護のスタッフで、これまでに500組ほどの、高齢の方とその家族の支援をおこなってきました。NPO団体などにかかわりながら、訪問介護をする民間企業に新入社員として入った形ですね。

けあ子

けあ子
新卒からずっと介護の現場にいらっしゃるわけですね。大学時代は、どんなきっかけで介護を始めることになったのでしょう?👀

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木場さん
大学のサークルが福祉系だったんです。重度の脳性麻痺の方の訪問介護をしていましたね。その活動をしていくうちに“介護福祉士”という資格が必要だということになりまして。在学中に資格を取得して、そこから現場にドップリでした。

けあ子

けあ子
大学のサークルとしての活動と、仕事としての活動を経験して、なにか感じるものはあったのでしょうか?😄

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木場さん
ありましたよ。介護って、誰かの「無理」の上に成り立っているって強く感じました。その「無理」をするのはたいてい介護スタッフです。ある時、新しい事業所の立ち上げに関わることになりましたが、5年間休みなんてなく、ほぼ毎日現場に出ていました。

5年間休みなし

けあ子

けあ子
毎日!?それを5年間ですか?💦

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木場さん
ええ(笑)無理だって思いますよね。ただ自分がやりたくてやっていたんですよ。夜中0時の訪問介護もありました。重度で訪問介護を受ける方は、2週間から1か月くらいで亡くなってしまう方も多いんです。だからこそ強い責任感で仕事ができていた気がします。

けあ子

けあ子
みなさん、そのような働き方だったのでしょうか?💦

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木場さん
いや「自分みたいな働き方を、ほかの人にはさせられない」というのもわかっていました。儲けも全然出ませんし、休みもない。でも介護が好きだから、やめたいわけじゃない……。いろいろなジレンマがありましたが、自分の信条として「やったほうがいい」と思うことをやってきました。そこはとてもシンプルです。

木場さんとけあ子

けあ子

けあ子
木場さんの仕事に対する責任感と情熱を感じます……!

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木場さん
でも、これまでの中で「十分できたな」と思ったことは1回もないんです(笑)歳をとって、生きていても意味もないと思わないように、いろいろな制限があるなかでやっていくのがプロの仕事だと考えています。


■現場に向き合った結果、介護保険の限界に直面


けあ子

けあ子
素晴らしいです✨木場さんが現場だったときの問題は、今は解決されているんでしょうか?

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木場さん
う~ん、解決されていないでしょうね。学生時代に関わっていたNPOを通じて、行政側とのさまざまな制度交渉の様子を見てきました。でも行政側は、“ない袖は振れないよ”という感じでした。予算が決められているので、どうしても「人が死なないライン」を基準にしがちなんですよ。制度設計の限界を感じました。

けあ子

けあ子
保険制度全体がそうなっているのかもしれないですね😅

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木場さん
そうですね。現場を20年やった結果、介護保険制度の理念を実現するにはだれかが無理をしないと回らない仕組みだということがハッキリしました。「人が死なない」ラインでどうやってくのか、というのが介護保険制度のライン。そんな介護保険制度だけでは限界だと思い、問題意識を感じて、2018年に転職しました。

けあ子

けあ子
入社された今の会社(株式会社リクシス)ではどのようなお仕事をしていますか?😄

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木場さん
企業の人事向けに従業員の介護リスクを低減するシステムを作って提案する仕事と、企業に向けて高齢者の実態を伝える仕事になります。特に後者は、現役世代や一般企業に対して、ですね。自分自身が現場に入り続けたかったというのもありますが、この仕事の特性から考えて、今も週に1度小規模多機能型で働いているんです。

木場さんの「カイゴ録」、前編はここまでです。後半では、なぜ介護の実態が外から見えにくいのか… その現状をインタビューします。 そして、木場さんが介護業界の発信にどう向き合ってきたのかを語っていただきます!

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