さまざまな現場でご活躍される多種多様な介護職の方に、ただひたすらインタビューしていく「カイゴ録」🎤 今回も、前回に引き続き、大関さんに話を伺っていきます!

現在大関さんが実際に現場で取り組まれている内容や、今後の展望とは…??

さっそくお話を伺っていきましょう!


大関さんのプロフィール

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大関美里さん

「よりよく出す」ためのサポートをする、「DASUケアLAB」代表で、排泄ケアに取り組む。ブログ「シッカリ出してスッキリ生きる、こころとカラダのDASUケアblog.も執筆中。

■「まず褒める」ことからスタートする


けあ子

けあ子
現在は、どのようなお仕事をされているのですか?

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大関さん
フリーランスで、排泄支援と心のより良い出し方についてのセミナーや、アドバイザーをしています。まだまだ自分も探求中ではありますが、だからこそ職員さんの目線も理解できますし、そばにいるサポーターのような存在でいたいと思っています。

けあ子

けあ子
素敵ですね!☺️

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大関さん
具体的には、外部からくる「第三者」の立場を使って、「まず受け止めて肯定する」ことから意識して届けています。 たとえ本人が納得いくケアができていなくとも、「今皆さんがやっていることは必要なことで、家族や日本全体が救われていること、とても大事な場所にいること」などを伝えるようにしています。

けあ子

けあ子
おお…!✨ そうされている理由は何かあるのですか?

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大関さん
そもそも、介護の仕事がまだ社会的にあまり認められていなかったり、人手不足の問題もあるから、今その人がやっていることを認めてあげる人や時間が存在しないように感じます。

けあ子

けあ子
なるほど…

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大関さん
最初は、職員の方からも「何がわかるの?」というところからですが、1週間に一度お邪魔する中で、ちょっとずつ挨拶をしてくれるようになったり、言いにくいようなことも言いにきてくれるようになりますね。

けあ子

けあ子
そうなんですね!☺️

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大関さん
やる気がある人たちはどの施設にもいるので、そういう人たちをどんどん後押しして成功体験を積んでもらい、あとはそれをどう浸透させていくか?ということが重要になっていきますね。

けあ子

けあ子
どう浸透させていくか…!👀

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大関さん
はい。その施設とは、一生かけてやっていくような覚悟が必要になるくらいのことです。それでも、外からの視点を求めている施設って、結構多いんですよね。

けあ子

けあ子
そうなんですね!

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大関さん
具体的には、1週間に一度施設にお邪魔して、その都度絶対達成できる目標をたて、それを積み重ねていくようにしています。シフト制だと会えない職員には会えないのですが、オムツ交換の時間帯に、できる限り職員と一緒に入って、実際のケアをやっていくことで、少しずつ関係を構築しています。普通排泄介助って一人でやるものですが、二人でやることで見えてくることもたくさんあるんですよ。

けあ子

けあ子
そんな工夫もされているんですね!✨取り組みが進む施設と、なかなか進まない施設に、何か違いはあったりするのですか?

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大関さん
職員の取り組みが評価されるかどうか、だと思います。昇給だったり、上司に「よくやった」と言われることだったり、そういったかたちで認めてもらえるか、が大切だと思います。

けあ子

けあ子
それが職員のモチベーションにもつながるのですね☺️ 

■「美里ヒルズ」という成功例


けあ子

けあ子
今までに、取り組みがうまくいった事例があれば教えてください!😊

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大関さん
三重県にある特別養護老人ホーム「美里ヒルズ」さんについて話させていただければと思います。こちらの施設は、「特養を施設ではなく住まいに。今までと変わらず普通に暮らし続けられる場所に」と、利用者さんの本当の居場所を考えられた取り組みをしています。排泄ケアももちろん素晴らしく、理想的な施設です。

けあ子

けあ子
利用者の居場所…!👀

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大関さん
まず施設やお部屋の外見から、もはやその方のご自宅のような雰囲気を作られていました。一目見て「Aさんのご自宅にお邪魔する」と尊重できるようになる視覚情報はとても有効ですよね。お部屋に入る時も自然に「失礼いたします」とノックを思わずしてしまうような環境です。

また、集団生活のしやすさなどではなく、死角を作られることで一人になって落ち着けるスペースも多用されていて、まさに私も住みたい場所です。

けあ子

けあ子
とても素敵ですね!✨

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大関さん
職員さん同士の会話がメインではなく、ちゃんと利用者さんが主役の場所なので、「Aさんがトイレに行きまーす」とか、「失禁しちゃってますー」という声が飛ぶことがなくて、いったいいつトイレへお連れしているのか分からないくらいの自然な暮らしの中で排泄支援をされています。

職員さんの中で理念が浸透しているんですね。自分が何に基づいてケアをしていくのか、というと、「『その人らしく普通に暮らし続けられる』場所にする」ということが腑に落ちているんですね。実際、テープ止めタイプのアウターよりも、下着+パッドでの対応の方が多いとお聞きしました。

けあ子

けあ子
なぜそのように成功できたのでしょうか?👀

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大関さん
最初の3年間は過渡期だったとお伺いしましたが、トップの方の理念をしっかり持たれていることと、裁量権を現場に渡されているそのバランスにもヒントがありそうです。

けあ子

けあ子
なるほど! 最後に、大関さんの今後について教えてください!✨

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大関さん
一つ目は、誰もが排泄ケアについてある程度の知識を持つ状態を作ることです。具体的には、DASUケアコーディネーターとして、法人内の排泄ケアを考えていける人を増やしていけたらと思っています。知っていれば変えるためのアクションを起こす勇気を持てると思いますし、未来を見通す力につながるのではと思います。

けあ子

けあ子
とっても素敵です!

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大関さん
もう一つは、介護現場で働く方の心を元気にするような働きかけです。「もっと良いケアを考えたいけれど…」と立ち止まりたくなっている、昔の自分のような方に対して「しっかり感情も出して、スッキリ生きるお手伝い」として少しずつでも成功体験を重ねて、一緒に変化を育てていくサポートができたらと思っています。

けあ子

けあ子
素敵なお話をありがとうございました!これからのご活動も応援しています!⭐️

前後編の二部にわたってお届けした大関さんの「カイゴ録」は、これでおしまいです。 いかがでしたか?✨

次回はどんな素敵な方にお会いできるのでしょうか? ぜひ楽しみにしていてくださいね!♪