この度、生活リハビリの情報交流誌「Bricolage(ブリコラージュ)」とタイアップして、過去の記事などについて、アウケア上でご紹介をしていくことになりました。今回はその第二弾です。今回は2020年秋号に掲載された「新型コロナで強くなる!―今、介護現場に必要な考え方―」を10回に分けて、ご紹介します。今回はその#1です。

新型コロナ感染症は、介護現場にも大きな影響を与えています。当初は、秋には終息するだろうなどと言われていたものの、このまま長期にわたって私たちの暮らしを変えていきそうです。私たちは、当初スタートアップセミナーとして髙口光子さんのセミナーを5月~8月に3回予定していましたが、介護現場に髙口さんからエールを送ってもらおうと「新型コロナで強くなる―今、介護現場に必要な考え方―」と急遽テーマを変更し、オンラインセミナーに切り替え、行ってきました。セミナーでは、参加者の方からの現状を発信していただき、髙口さんと一緒に考えながら、白熱のやりとりが展開されました。今回の特集では、7月22日(水)に行われた髙口さんの講演部分をご紹介いたします。

◉髙口光子 医療法人財団百葉の会 人材開発室部長


日本の介護が高評価

髙口光子:今回、介護現場がどう評価されているのかを知りたくて、資料をあたってみたところ、『Newsweek』(7月16日付)が日本の介護を紹介していました。

「今、世界は新型コロナの第1波を振り返る、そういう時期に入っている。振り返ってみると、欧米よりも日本を含む東アジアは死亡者が少ない。これは明らかな事実だ。これは台湾や韓国の大統領がいち早く強い指示を出して対応したことが大きく影響した。しかし、日本の取り組みはオリンピック開催が一部足かせになって、対応が決して早いとは言えない状況だった。それでもやはり日本も同じく死亡者が少なかった。それはなぜか?」

を分析し、記事は

「慢性疾患や高齢というハイリスクのお年寄りを介護施設が守ったからだ」

と結論づけています。

「日本の新型コロナ感染者による死亡者は少ない。しかし、これは学者とか官邸とか政治家などスポットライトが当たる人たちの判断によるものではない。介護施設、各事業所で以前から積み重ねてきた地道なインフルエンザ等の感染予防対策がここには大きく寄与している。しかし、それは十分に評価される状態に至っていない。この点を見過ごし、介護施設や介護事業者、そこで働く介護職員の評価、そして資源配分を怠ると、次の感染の波を無事に越えられない可能性がある」。

髙口:私はこれを読んで、注目されにくい介護施設・事業所を評価してくれる人がいるとうれしくなりました。

 クラスターが出た介護施設もかなり詳細に事実と時系列の対応を情報発信しています。これを学ぶことで、これから介護施設に感染者が出たとしても最少に抑えていくことが日本の介護現場ではできるだろうとも言われています。

*次回は「『ウイルスの特性を知る』 "新型コロナで強くなる!―今、介護現場に必要な考え方―" #2」別シリーズをお届けします。

「七七舍が主催する高口光子さんの新介護塾」を実施します

参加方法は、こちら主催する七七舎のホームページ(外部リンクに飛びます)よりお申込みください!

元気が出る介護
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2020秋号【268号】

今回の記事はブリコラージュ2020秋号より抜粋しております。

2021年新春号【270号】

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