この度、生活リハビリの情報交流誌「Bricolage(ブリコラージュ)」とタイアップして、過去の記事などについて、アウケア上でご紹介をしていくことになりました。今回はその第二弾です。今回は2020年秋号に掲載された「新型コロナで強くなる！―今、介護現場に必要な考え方―」を10回に分けて、ご紹介します。今回はその#2です。
新型コロナ感染症は、介護現場にも大きな影響を与えています。当初は、秋には終息するだろうなどと言われていたものの、このまま長期にわたって私たちの暮らしを変えていきそうです。私たちは、当初スタートアップセミナーとして髙口光子さんのセミナーを5月～8月に3回予定していましたが、介護現場に髙口さんからエールを送ってもらおうと「新型コロナで強くなる―今、介護現場に必要な考え方―」と急遽テーマを変更し、オンラインセミナーに切り替え、行ってきました。セミナーでは、参加者の方からの現状を発信していただき、髙口さんと一緒に考えながら、白熱のやりとりが展開されました。今回の特集では、７月22日（水）に行われた髙口さんの講演部分をご紹介いたします。
◉髙口光子 医療法人財団百葉の会 人材開発室部長
前回記事#1は「『日本の介護が高評価』 "新型コロナで強くなる！―今、介護現場に必要な考え方―" #1」です。
ウイルスの特性を知る
髙口光子：新型コロナウイルスは、人の身体の中に入って、人から人へと移動します。ですから、施設の中にいるお年寄りに対して確実な感染予防対策は、まず「私」が感染源にならないことです。つまり、職員自身が自分の身体の中に新型コロナウイルスを入れないことが感染予防対策の第一項目となります。
私たちの最も身近で確実な防護服は自分自身の皮膚です。ウイルスは皮膚からは浸入しません。乾燥すると新型コロナウイルスは感染力がとても弱くなりますが、湿気のある場所では生き続けます。私たちの身体の外側で水気や湿気をもっている場所、粘膜があるのは目・鼻・口です。接触感染と言いますが、粘膜に接触するとそこから体内に入ってくるわけです。口・鼻・目にウイルスを運ぶのは指や手です。手で口や鼻を触る。目をこする。だから手洗いが大事。いくら手を洗っても、つい触ってしまう。だから口と鼻にマスクをする。そして時に目にはゴーグルを着ける。
飛沫感染というのは、感染している人のウイルスがつばによって飛び散りうつることです。だからマスクをして１m、２m間を空けましょう、しゃべるとお互いのつばがいきかうので、換気をしましょうということです。
このように新人職員には、なぜ手を洗うのか、どうしてマスクが大事なのか、だから換気が必要だと各部署の先輩がしっかり伝えましょう。
*次回は「『今ある感染症対策マニュアルを見直す』 "新型コロナで強くなる！―今、介護現場に必要な考え方―" #3」別シリーズをお届けします。
元気が出る介護
現場の情報交流誌
2020秋号【268号】
今回の記事はブリコラージュ2020秋号より抜粋しております。
