2021年7月17日に行われた「最期まで自分らしく生きる介護の実践」看多機 “むく”×駒場苑コラボ質問会の内容をダイジェスト版で紹介します!

【登壇者】 佐伯美智子(看多機"むく"代表) 坂野悠己(特別養護老人ホーム駒場苑施設長)

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8. 看護と介護が連携できると…【看多機"むく"&駒場苑コラボ質問会レポート】

編集部 むくのもう1つの特色として、看護付きの施設だということがありますが、看護と介護が連携したことで、利用者さんにとってプラスになった事例を教えてください。 この質問は坂野さんにも伺いたいと思います。

佐伯(看多機むく) 小規模多機能の、小規模多機能っていうのが、泊りがあって、訪問があって、通いがあってというのが小規模多機能で、そこに訪問看護がくっついたのが看護小規模多機能なんですよね。 だから毎日二人は看護師さんがいるっていうのが、看護小規模多機能の特徴かなと思います。

例えば介護職がその人の家に訪問行って、横になって動かないみたいな状況の時とかに、ぱっと電話してすぐ看護師さんに相談できるっていうのがやっぱり良い連携かなと思ってて。 むくの場合は「看護師さんだから看護の仕事だけやります」ってかんじではなくて、介護の部分っていうのを大きく看護師さんたちが担ってくれてたりとか。介護職だけじゃなくて看護師も一緒にご飯を作る当番が回ってきたりもするんですね。お風呂とかも担当したりするし、いろんなことをやりながら看護師っていう視点を持ってくれてるっていうのが、うちの看護師さんたちの特徴です。ただ、介護職が訪問に行った時に、「ちょっと様子おかしいんですけど」みたいなことをすぐに相談できる人がすぐ側にいるっていうのが一番のメリットかなって思ってます。

そこで看護師さんが介護さんにその場ですぐ指示をできて、そっから次はケアマネのほうに連絡がいって、ケアマネのほうが家族さんにその場で調整してくれる。 今度は先生のほうに看護師さんがすぐ連絡をしてくれて、っていうチームプレイが1か所でしやすいっていうのが、看多機の一番良いところじゃないかなっていうふうに思ってます。

それこそつい2、3日前に、家で半裸状態で横になってるおばあちゃんがいて、「わあどうしよう」みたいなことになったんだけど、とりあえず看護師さんが行って、様子見て帰ってきて、次に介護職が行って、身の回りのこと整えて、家族さんに連絡して、それから病院に行ってみたいなかんじで、じゃあうちに泊まってもらおうねってことまでできるのが、連携、チームプレイだったり、看多機の良いことだなって思ったことがつい最近ありました。

看護師さんは判断しなきゃいけないていうのが一番大変なところかなって思って、自分の中にそういう責任は絶対出てくるんですよね。 それをいつも間違ったらどうしようっていうふうな思いもありながらも、介護さんたちが不安にならないように、そこにいてくれるっていうのが一番ありがたいし、必要だなと思ったりしてます。 あと、お年寄りにとってみたら、看多機ていうのは医療もあるし、介護もあるんだけど、お年寄りにとってはもう医療も介護も生活の一部になっちゃうと思うんですよね。 お年寄りほとんど薬飲んでたりするし必要があったら病院行ってみたいなことが、生活の中に溶け込んでるので、医療と介護というのが一緒にできる場が看多機の特徴ではないかなっていうふうに最近思ってます。

編集部 チームワークで医療が必要になった事態の時に、チームワークがそこにできあがってることで、スピード感出して取り組めるところですかね。 坂野さん、同じ質問伺ってもよろしいでしょうか。

坂野(駒場苑) けっこうありがちなのは看護と介護でちょっと上手くいかなくて、ぶつかっちゃうみたいなのは、割と施設であることなのかなって思うし、駒場苑でも過去にはそういった構図になっちゃったこともあるんですけど、今はすごくそういったことがない。 すごく仲良くやってくれてるなっていうイメージはありますね。 それはやっぱり、明確な目標を掲げているので、それにある程度は共感して入ってきてもらってる世代にもなってるので、そういう意味でそこでぶつかったりはしなくなったのかなと。 共通の目標が一応あって、それをみんな理解してるので。 多少は納得しない部分もあるかもしれないけど、表立ってバチバチするようなことは、もうなくなったなっていう印象ですね。 なので割と連携は取れてるし、取れてるからこそ看取りとか、できるんだろうなとは思いますね。 看取りけっこう多いので、うちの場合ほとんどのかた看取りを希望されてますので、そういう時に看護と介護が連携してないとできないことだったり。 なのでそっからさらに嘱託医の先生と、看護師さんでいろいろやり取りしてもらってるから、看取りができてるっていう意味では、めちゃめちゃ感謝してます。 それこそ胃瘻だったかたが口から食べるようになる過程でも、看護師さんの役割ってけっこう出てきて、そこの部分も看護師さんと介護との連携がないとできなかったりすることなんで。

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